昭和30年代、あほまろ少年は北海道のガキでした。
 北海道でメンコと言えば、可愛いってこと。そんな訳ではないでしょうけ
ど、 メンコ遊びを“パッチ”と“角メン”の二つに使い分けていました。
 丸いメンコで遊ぶのを“パッチ”、四角いメンコで遊ぶのを“角メン”な
のです。このように地域によって、呼び方は違うようですが、ルールは一緒
なのです 。
  当時の子供達の遊びの王様は草野球。パッチはその次ぎくらいの存在だっ
たようです。野球のメンバーが足りない時や、雨の日なんかは、学校から帰
ってくると、ランドセルを放り投げ、その足で友達と勝負。ぶんどった分が
多くなると、親にばれないように秘密基地に隠しておいたんのです。でも、
何故か親は、子供が持っているパッチの種類や数まで覚えていたんですよ。
 昭和22年生まれのあほまろが小学生のころの想い出のパッチの絵柄は、
主にチャンバラの武者絵や、映画スターだったように記憶しています。その
後、テレビが普及し始め、野球選手や、プロレスラーたちも、パッチに描か
れた絵以上に身近な存在になったのです。また、テレビドラマや漫画など、
それまで存在しなかった絵柄が一気に増えたのもこの次期でした。
 ララミー牧場、名犬ラッシーなど洋物を始め、やりくりアパート、赤銅鈴
之助。また、漫画のディズニーやヘッケルとジャッケルなんてのも懐かしい
ですね。そんなのを、今でも大切に持っています。
  あほまろの町で、パッチを売っていたのはみんなが“クジ屋”さんと呼ん
でいた学校のそばの小さな駄菓子屋さんです。ポストイットの束のようなク
ジを一枚引っこ抜き、舌でなめると当選番号が浮き出てくるのです。一回5
円、 当然一等を狙って引くのですが、ほとんどがスカだったような。
 丸パッチの商品は、一等が3寸5分もあるどでかいパッチ、二等が3寸パ
ッチ、三等が1寸5分と、どんどん小さくなって、スカは1寸パッチだった
のです。10円で二回のチャンス。子供の頃からギャンブル根性を培ってい
たのかもしれませんね。 おかげで、今でも結構勝負強いんですよ。
 また、角メンのクジは、一等は確か、20枚くらい切らずにくっついてい
るシートだったような。等数が下がるとその数がどんどん少なくなって、ス
カは一枚。それでも、毎日挑戦したんですよね。
 クジじゃない物も有りました。それは、野球、相撲、漫画など、種類別に
束になっており、その中から直接一枚引っこ抜くのです。新聞紙で作られた
袋の中から好みのパッチが出てくると最高に幸せでしたね。
 また、変わり種では、束になったパッチを引くと、パッチの裏に直接ハン
コが押されているクジもあったんです。どっちにしても、毎日、有り金すべ
てがクジに消えていたのでした。
 50年も昔のパッチのクジですが、すごく鮮明に覚えているってのは、よ
ほど好きだったんでしょうね。そんな時代の懐かしいパッチたちを並べてみ
ました。


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