絵本「色里三十三所息子順禮」


 
 四番 堂前山万福寺 本尊 小銭百くわん世音          
    勘平じゃないけれど猪の出るあなを ねらふては      
    いりはなす てっぽう
    蝋燭代百文 同一里十五丁                
 五番 湯嶋山衆道院 本尊 尻から不動明王 ゆしまにも光るこがね     の釜ありて ほりに貝へたるお寺さまたち              護摩代金一分 同三十二丁                
 六番 谷中山いろはてら 本尊 くがい三年九郎本尊            無筆でもあそびハできるいろは茶屋                 よる谷中にもかよひこそすれ                    御初尾四百文 同一里十丁                
 七番 惣門山根津てら 本尊 すかぬ客ハふるな尊者            わるじゃれをいふてふらるる初くわいきゃく             よつぴて根津にかへるごうはら                   御初尾五百文 同一里十丁                  八番 板橋山中山堂 本尊 飯盛の杓子如来                板ばしでいたい目にあふしわんぼう                 はら切かねを出しかねにけり                    御初尾五百文 同二里                  
   九番 九丁山音羽てら 本尊 色客に身揚観世音              ひゃうし木の音羽をきけハはや四ツと                かごに酒手をやつてとばする                    御初尾五百文 同二里三丁