○おやつ

  八つ時とは現在の午後二時〜四時頃で、江戸職人の骨休め時間
 であった。この時間に半時程の一服を楽しむ習慣は黄表紙本にも
 登場する。職人達の午後の間食を「お八つ」とよばれ、古くはう
 どんや餅を楽しむ時間でもあったが、時代とともにおやつの代表
 格の菓子が登場する。しかし当時のお菓子は高価な物が多く庶民
 には手の届かない存在で芋菓子や団子類を中心におやつを楽しん
 でいた。しかしそれもおぼつかない長屋の連中のおやつは「長屋
 の花見」よろしく、番茶とたくあんを銘茶銘菓に見立てて楽しん
 でいたのも一興である。