九代目林家正蔵襲名記念お練り

 平成17年3月13日(日)あほまろ朝の日記より
 「長屋の花見」って落語をご存じですか。貧乏長屋の大家さんが貧しい店子連
中に気分だけでも人並みの花見をさせてやりたいと考えた花見、お茶をお酒とみ
なし、たくわんを数の子なんて冗談を上野の山で本当にやってしまった連中のお
話です。落語にはそんな貧乏生活がぴったり、聞く方も演じる方も貧乏が染み付
いているからこそ自分に比喩しながらも笑って楽しめるのです。
 昨日、落語家林家正蔵の襲名記念イベントが開催されました。それも上野から
浅草まで延々7キロにも及ぶパレードで、詰めかけた人は約14万5000人(
主催者発表)、10億円の保険をかけたといわれる前代未聞で桁外れの襲名記念
イベントだったのです。
 林家正蔵を襲名するこぶ平の父・故林家三平さんと故石原裕次郎さんの親交が
深かった縁で、石原プロが全面的にバックアップして実現したこのイベント、前
宣伝が上手だったのか、この権利を買ったテレビ局が努力したのかは判りません
が、たかが三流芸能人、それもまともに落語も出来ない落語家の襲名披露にこん
な大げさなパレードが必用だったのでしょうか。
 当の本人が一番それを承知なのでしょう。パレードの最中は泣きっぱなし、ま
た挨拶のマイクを持ってもしばし言葉が出ない状態です。「この御恩は高座でお
返ししたい」、鳴き声で語ったこの一言、パレードを一目見ようと集まった人々
のためにも、これからが本番と思って、立派な落語家と言われるように精進して
欲しいですね。
 浅草演芸ホール前に設置された特設ステージで、締めの挨拶に立った鶴瓶師匠
「甘い世界じゃない。大変さは分かる。お父さんの力でここまで来れたってこと
と、これからもずっと人気を保つのはこぶちゃんの力、人柄、努力や。テレビで
培った“間”を生かし、いい正蔵になってくれ!」と、正蔵の名の重さを訴えて
おりました。
 前代未聞でド派手なイベント、あなた一人の力じゃあり得なかったのですよ。
これもひとえに亡きお父さんと、石原軍団やフジテレビのおかげなんです。
 それよりもなによりも、落語の世界のほとんどが貧乏生活を楽しく送る人々の
噺、10億円の保険をかけたパレードの自慢だけは高座で自慢しないでください
ね。それに、高座の上では常に座布団に座っていなければ、お客さんに失礼にあ
たるってことが落語界の常識だってことも再認識してくださいね。なんたって、
九代目林家正蔵になったのですから。

 参考資料
 林家正蔵(はやしや しょうぞう)は、江戸噺家の名跡。文化8年初代から四代
目までは林屋正蔵、明治21年五代目から林家正蔵となった。江戸・林家の止め
名。九代目は、三平の実子こぶ平(本名 海老名泰孝)が、襲名。襲名パレード
では10万人(警察発表)
以上の人が上野・浅草に集まった。
 石原プロの全面協力。(三平と石原裕次郎が親交が深かったため)七代目没後
、本来は実子である父・三平が継ぐところだったが修行年数が2年と短かったた
め名跡を馬楽に貸与したもの。三平は前座名のまま1958年に真打昇進し、1
980年9月20日に死去した。

CANON EOS-1 DsMK2
LENS CANON 17-35/28-70/70-200/F2.8
©2005 Edo.net / Ahomaro