旧暦の8月15日は中秋の名月ですね。でも、朝から小雨模様なので今夜のお月様は残念ながら望めないでしょう。ところで、「中秋」と「仲秋」の違いってご存じですか。この「仲秋」と「中秋」は、長い歴史の中でだんだん区別されずに使われてきてはいるのですが、厳密にいえば、「中秋の名月」は、旧暦で8月15日、つまり秋の真ん中の満月のことで、「仲秋の名月」とは、旧暦の秋、つまり7〜9月の満月を示す言葉なのです。ですから、今日は旧暦の秋のど真ん中なので、「中秋の名月」別名「十五夜」ってことになるんですよ。
モモちゃんと一緒にいつもの地蔵様を詣でていると、十五夜のお供え、お団子を持ったおじいちゃんがやってきました。そういえば、昨年もいらっしゃって、お団子をいただいた方です。このおじいちゃんは現在90才、だんじり祭でお馴染みの岸和田で生まれ育ち、今は息子の家で暮らしているとか。おじいちゃんは、子どもの頃から十五夜の「団子突かせて」行事を欠かしたことが無いそうです。十五夜になると、どこの家の軒先に団子と煮た芋が下がるそうです。それを子どもたちが長い竿を持って取って回るんですって。その中でも、いつも美味しい団子を吊しているお家に明るいうちからみんなが群がってお月さんが出るのを待っているそうです。お月さんが出る前に取ってしまったら“お月さんが食べる前に取ってしまったらバチが当たるよ!”って怒られるんですって。
戦前までは関西各地で同じような行事があったようですが、時代と共にすたれていき、一部風習が残った地域でも、団子の変わりにお菓子を吊す家もあるようです。「団子突かせて」とっても興味有ることを教えてもらい、またまた、関西風の先が細い筒型のあんこ付きお団子をいただきました。歯の無いモモちゃんもあんこをぺろぺろ美味しそうに嘗めていましたよ。
でもね、今からお団子をお供えしてしまうと、今夜のお月さんが出る前に無くなってしまうかも、"それで良いのですよ、十五夜のお団子は貧しい人たちにお裾分けするために続いてきた行事なんですから”、やさしいおじいちゃんと一緒にお参りを済ませ、地蔵様の境内を出た瞬間、側で様子を伺っていたこの付近で寝泊まりをしている方々、待ってましたと・・・・。「団子突かせて」は、それで良いんですよね。 |