あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成18年4月8日 (土) 旧暦3月11日先勝

- 花まつり・潅仏会 -

日記


『今朝の浅草』
 ポカポカ陽気で気分が良いのか、いつもよりもキョロキョロしながらのんびり散歩のモモちゃんです。早くおいでとリードを引っ張っても、“なんで急ぐの”って顔してあほまろを睨んでいるのです。いつも逢うモモちゃんのお友達も、境内に散った桜の花びらを数えているかのように、ゆっくりゆっくり歩いてましたよ。

 旧暦4月8日のお釈迦さんの誕生日を祝う法会の事で、灌仏会・仏生会・浴仏会とも称され、「日本書紀」では推古天皇14年(606)の条に
  「この年より初めて寺毎に、四月八日、七月十五日設斎す」
 とあり、お盆とともに日本においての最も古い仏教行事の一つなのです。中でも多く呼称されている、灌仏会(かんぶつえ)は、釈迦仏像に香湯をそそぐ事からこの名前があり一般的な名前になったのですが、最近では「花まつり」の呼称が一般的になっています。“「花まつり」の発祥はドイツから”、先日そんな記事を発見して驚いたのです。

 『明治34年(1901)4月ドイツで留学中の僧侶と学生達がベルリンのホテルで金屏風の前で誕生仏を花で一杯に飾り付けました。それまでも同じように花御堂を花で飾ってお祭をしていたのですが、それらを見たドイツの人々達はそれを「ブルーメン・フェイスト(花まつり)」と呼んだそうです。』

 それらが現在の「花まつり」の呼称のはじまりなのです。ドイツで「ブルーメン・フェイスト(花祭り)」と呼んだことにちなんで日本でも次第に「花まつり」と呼ばれるようになり、明治43年には「花まつり」が釈尊降誕会の名称として採用され、昭和5年には日比谷公園で実際に「花まつり」として灌仏会が行われています。一般の人々になじみやすい名前ということから付けられたそうです。とはいえ、江戸時代の書物などにも灌仏会の時は誕生仏の周りを花で取り囲んている絵も残っており、誰言うとなく「花まつり」の呼称で通っていたのでしょうね。
 ここ浅草寺でも、雷門前、本堂前宝蔵門、更に本堂内部に「花御堂」をしつらえ、その中央に誕生仏を安置し、雨と降った甘露を象徴するものとして「甘茶」を像にかけるのです。
 平安時代には五種類の香水(五色水)が潅がれたそうですが、江戸時代中期より甘茶に替わりました。甘露とは諸天の常用する飲み物で、これを飲むと不老不死になるという霊薬で、その味が甘いことから甘露といわれています。また、諸天が仏徳を讃嘆して降らせるともいい、潅仏会の甘茶は甘露を象徴したのもで、さらに仏教が衆生を救済する無上の教えであることを意味しているのです。
 お釈迦さまは生まれると、すぐに七歩ほど前に歩み、右手で天を、左手で地を指さして
「人は誰でもこの世に一人だけであって予備の人間はいない。命は貴いものである。私は苦しむ人々を救うことを第一としよう」と言ったのです。すると天に住む竜が感激して甘露の雨を降らしたそうですよ。
 仏教徒、それも曹洞宗のあほまろですが、毎年観音宗の浅草寺からお釈迦様の甘露をいただいてくるのです。宗派は違っていても、元は一緒なのですからね。
 家族の健康と、犬たちの健康を願って、モモちゃんも一緒に甘露を飲むのですよ。
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『今朝の雷門』
 花祭りの看板も今日いっぱいで取り外されてしまいます。これら繰り返し行われる行事の看板は、毎年同じものの使い回しなので、このような写真だと撮った時代を知ることができませんね。昨日、5年分の同じ構図を並べて気付いたのは、途中で提灯が変わっただけでした。
 これから更に科学技術の発達によって、炭素分析で詳細な時代を知ることが出来るようになったと同様、きっと写真を詳細に解析することによって、いつの時代かを知る手がかりがつかめるようになるのでしょうね。そんな技術は未来の人たちにまかせることにして、とりあえずあほまろは毎朝の記録だけは残しておきましょう。それが、何のためになるのかは別として・・・。
   
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『今朝の一写』
 伝法院の正面玄関前の桜もどんどん散ってしまい、地面に落ちる花びらの数も減ってしまいました。散った花びらが毎朝掃除をされてしまうので、その前に撮らなければいけないと早めに出かけていたのですが、この調子じゃそろそろ終わりでしょうね。今年は強風のおかげで、桜の絨毯のピークを逃してしまったのが残念でした。
 ここの桜の絨毯、過去の写真を振り返ってみると、2003年4月8日の朝、お庭全体がピンク色に染まった写真を
撮っていました。しかし、その頃はまだブロードバンドが普及していなかったので、この日記の写真は小さめのが一枚だけ、その姿全貌はお見せすることが出来なかったようですね。
  
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『今朝の境内』
 お掃除をする前の仲見世の参道には、昨夜から散った桜の花びらが目立っています。のんびりモモちゃん、その一つずつの臭いを嗅ぎながら歩いてました。とある、一枚の花びらの前で立ち止まり、じ〜っと臭いを嗅いでいました。そして、ぺろりと舐めた花びらが舌の先にくっついて、ぺっぺとやっています。梅と違って臭いの無い桜の花びらでも、モモちゃんには何かが臭っていたのでしょうね。
   
 二尊仏の後ろの銀杏の木も新芽が色付いてきました。これから夏にかけてこの一帯は、まるで二尊仏の光臨のように銀杏の葉で覆われるのです。
   
 どんどんピンク色を薄くしていく浅草神社の桜です。
   
 同じみの光景も見るに堪えなくなってしまいましたね。
   
 浅草神社の「定点観測」、そろそろお終いにしましょうか。

   
 同じ枝に残った花びら。どれもまともに花びらが五枚残っていないようです。
   
 なんとなく、新仲見世から松屋方面を撮ってみました。
   
 毎週末は競馬が開催されるので、場外馬券売り場の裏通りはこのように表にもテーブルを並べるのです。朝から良い臭いが漂っているので、モモちゃんも落ち着かない様子でしたよ。毎朝、散歩から帰って来ると、モモちゃんのお部屋に朝食が待っているのです。それを知っているので、我が家に近づくと、風流に歩いていたモモちゃんも、歩きがどんどん早くなるのです。
   

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 浅草に直接関係の無いお話も多いですが。ここは、あほまろの呟きですかね。
『今朝の余談』
 4月29日かた「めぐりん」の新路線が開通します。一昨日より雷門通り一帯に写真の幟が掲げられました。新路線の詳細はこちらをご覧ください。開業記念式典は、4月29日(祝)午前10時〜11時30分、上野恩賜公園大噴水前にて開催されます。
   


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 10-22 F3.5-4.5他
撮影枚数66枚