平成16年(2004)11月25日 木曜日

- 和の文化 -

 晩秋の強い風が通り過ぎると、銀杏紅葉が境内を一面を黄色に埋め尽くします
。溜まった落ち葉の清掃を毎日行っているのですが、次から次に落ちてくる落葉
に係員も手こずっている様子でした。“今日はこのくらいにしておこう・・・”
、そんな会話の最中にもパラリパラリ・・・。
 「もの淋しい秋の日、夕霧は一条の落葉の宮を訪れた。御息所と、亡き柏木の
思い出を語り合う・・・」舞い散る落葉を見ながら源氏物語の一節を思い出して
しまいました。ってのはあほまろではありません、境内のお地蔵さんの前で、琵
琶を弾きながら源氏物語の一節を唄っている方がいらっしゃったのです。その様
子を写真に撮ろうと思ったのですが、なんとなくもの悲しい姿にとまどい、聞い
ているだけにしました。モモちゃんも珍しい琵琶の響きに聞き入っているのでし
た。この曲は確か源氏物語に出てくる「想夫恋」ですね。
 朝っぱらから何かとっても風流です。“もののあはれは、秋ぞまされる”
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 「さぁて皆さま。文明開化はエレキ応用活動大写真。花のパリかロンドンか、
月が鳴いたかホトトギス、あらまちょいちょいゆでアズキ、南京豆の綱渡り、さ
ては南京玉すだれ・・・」、活動写真の弁士ってご存じですか。
 日本独特の話芸である活弁の伝統に創意を加え、練り上げる。若手活弁士の第
一人者、麻生八咫(あそうやた)さんと、その娘、麻生子八咫(あそうこやた)
さんの無声映画大映写会が開催されるそうです。
 麻生子八咫さんは、小学校5年生で浅草木馬亭よりデビューし、現在は高校3
年生のお嬢さんなのです。彼女の『模範弁論集』によると、『幼い頃から父の活
弁を見て育った私は、しだいに“活弁の世界”に引き込まれていきます。まるで
父の「語り」によって映画が動かされているかのような錯覚にとらわれ、父の「
語り」によって周りのお客さんが、泣いたり笑ったりと心動かされる様子は、幼
心にもすごい!と感じさせられるパワーがありました。』
 この娘がまた素晴らしいのです。活弁だけじゃなく、歌や踊りも本格的、特に
美空ひばりさんの子供の頃の物まねは本物以上かもしれませんよ。数年前、浅草
「木馬亭」で行われた麻生子八咫さん デビュー三周年記念公演では、美空ひばり
にあやかった衣装でヒバリメドレーを披露してくれました。
 「無声映画大映写会」は、1月8日〜10日まで、浅草大勝館一階のSHOW
ホールにて開催されます。出し物は、「チャップリン・キートン短編映画」、大
河内伝次郎主演「血煙高田馬場」、澤田正二郎主演「国定忠治」などです。
 映画誕生一世紀を超えて、映画の原点を浅草で感じてみませんか。
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 歌友会といって、あほまろ夫婦は毎月三遊亭圓歌師匠と遊ぶ会に参加しており
ます。昨夜は我が家の側の「マノス」でロシア料理を堪能したのです。昔から浅
草ではオムライスやハヤシライスなどのいわゆる和風西洋料理が有名でしたが、
実はロシア料理も有名なのです。これもどっちかというと本格的なロシア料理と
は違って、「和風」を冠した方が良いのかも知れません。浅草独特なロシア料理
の表現もピッタリ。店主が用意してくれた限定物の焼酎、禁酒を宣言したあほま
ろですが、こんなの見せられたらこの一瞬だけは禁酒の誓いもどこえやら。水や
お湯で割るなんてのは勿体ない、気のまま頂いてしまいましたよ。おかげで今朝
も・・・。
 宴も盛り上がった最中、師匠が思い出したように、“そういえば、今日は結婚
記念日だ”、突然言い出したのです。慌てた店主はケーキを用意したりの大わら
わ、店内は師匠の結婚21周年のパーティー会場に早変わりです。
 ケーキも届きみんなで記念写真です。そんな訳で今朝の写真は、師匠と女将さ
ん、それに弟子の若圓歌と小圓歌。楽しい雰囲気でしょう。
 さ、今日からまた酒止めるぞ。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数34枚