平成16年(2004)11月2日 火曜日

- お札の蘊蓄 -

 ようやく秋晴れのような天気が戻ってきましたね。ような天気との表現はちょ
っとおかしいのですが、すっきりはっきりとはいえない空模様。雨は無いにして
も、午後から曇りになるのだとか。ころころ変わる空模様ってのは、まさに“女
心と秋の空”そのものですかね。
 雷門前の公衆電話ボックスがちょっと西側に移動され、ようやく使えるように
なったようです。しかし、最近は携帯電話の普及によってこれを利用する人はほ
とんど見かけなくなりました。こんなのも絶滅危惧されるものの一つなのでしょ
うね。
 いつものように、モモちゃんとお地蔵さんをお参りし、犬友達とおしゃべりし
ながら浅草神社の方に歩いていると、モモちゃんの様子がおかしいのです。そっ
ちに行きたく無いと無理矢理リードーを引っ張って戻ろうとするのです。
 そっか、モモちゃんってお利口ですね。毎日欠かさずの記録している菊花展の
「大懸崖」を観察するのを忘れていました。日課になってしまったこの観察、モ
モちゃんもちゃんと憶えているのですね。
 「大懸崖」は8分咲きってところでしょうか。まだ蕾が小さいままの花もある
ようです。満開まではもう少々お時間を要するのでしょうね。
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 今日はお酉さまです。一の酉で賑わう鷲神社では、来年の福を我先にと競い合
う連中が、午前0時の一番太鼓を合図に境内になだれ込みます。でも、関西の戎
さんのように一等だったら良いとか、何か貰えるってのは無いのですが、気分の
問題なのでしょう。毎年この一番太鼓を音を聞かないと新しい年がやってこない
なんて大げさなことをいう連中もいるのです。
 あほまろも学生時代には来る年に期待を込めて、この一番太鼓を聞きに行った
のでした。でも、今じゃ何もそこまでして“春を待つ、ことのはじめや酉の市”
なんて気分には浸れないですよ。さっきテレビのニュースを見ていると、今年も
大勢の参拝客で賑わっているようです。
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 新しいお札は両替しましたか。20年ぶりにデザインが一新されたお札って、
何かおもちゃのお札みたいですね。特に、キラキラ光るホログラムなんか付いて
しまうと、まるでトレーディングカードのような雰囲気、ついついお札を掴む手
も、表面に触れないようにそっと縁を掴んでしまいました。
 新札が発行さっるたび、日本銀行では番号の若いお札を両替してくれます。前
回の2千円札の時もそうだったように、A-A券といわれるお札なのだそうです。
そんな情報を聞いたので、昨日は会社の若い連中にお願いして日本銀行で各々十
枚づつ両替をして貰いました。
 やはり噂は本当だったのですね。三種類のお札総てがA-A券で、それもみんな
3桁の若い番号なのです。おまけに一万円札はA000777A番、スリーセブンで
したよ。こんな珍しいお札は永久保存版ですよね。
 近代貨やお札のコレクターにとって、この番号ってのがとっても重要な要素に
なるのです。みなさんも古銭商やデパートの切手売り場などで、今普通に使って
いるお札が飾られているのを見かけたことが有るはずです。そのお札の番号を良
く見ると判るように、番号がぞろ目だったり123・・・など並んでいたり。そ
れだけで何倍にもなってしまうのです。
 たとえば、三年前の銀座コインオークションで、二千円札の「A000123A」
という珍しい番号のお札が出品されたことがあります。最初の下値は2万円だっ
たのですが、幾ら出しても手に入れたいという連中によって、最終落札価格がな
んと120万円にもなってしまいました。チンチロリンだったら、倍付けの総払
いですよ、123って。もしこれが456だったら・・・、あきれてバカなこと
考えてしまいましたよ、あの時は・・・。
 今度、どこかのオークションに、あほまろの一万円札「A000777A」も出品
してみましょかね・・・。
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 このように、もしかしたらとっても貴重なお宝にも成り得る、お札の番号にも
注目してみましょう。お札の番号は6ケタで、000001に始まり900000で終わ
ります。数字の前後の記号はAから始まりZで終わり、数字と間違われないよう
に、IとOは除外されます。一桁が終わると、次に二桁のAA、BBと変えられ
ZZまでゆき、これで1組の印刷が終了します。
 すなわち「A000001*」に始まり「Z900000*」で一区切りとなり、次か
らは、「AA000001*」から「ZZ900000*」で終わるのです。番号の後ろの
「*」の箇所はお札が製造された印刷所を示す記号です。先日、ヤフーオークシ
ョンに出回った千円の見本券はこの番号から「滝野川工場」で刷られたものと判
ったそうです。
 この中で、コレクターが珍重するお札は、まず頭の欧文記号が一桁のものです
。前にも書いたように、「A○○○○○○A」券です。これは、1組の印刷枚数
129億6000万枚の中で僅か90万枚しかありません。将来マニアの間で垂
涎の的となることは間違いありません。
 ほかにもゾロ目111111〜888888や123456の珍品札はかなり
の人気です。現行の夏目漱石千円札のアルファベット一桁のものは五千円、これ
がぞろ目ともなると八万円以上で取引されているのです。
 それともう一つ、お札の製造所が変わったのをご存じですか。長い間親しまれ
てきた「大蔵省印刷局製造」ってのが省庁再編成で、「国立印刷局製造」に変わ
り、今年の4月からは「財務省印刷局製造」になっているのですよ。
 新しいお札も良いのですが、現行のお札の中でも「財務省印刷局製造」と書か
れたお札は僅か半年しか造られていないのです。この珍番号なんての、他のもの
よりも価値が上がるのが確実です。
 みなさんも、もう一度お財布に入っているお札の番号を見てみませんか。もし
かしたらとんでもないお宝が眠っているかもしれませんよ。また、新札が発行さ
れた最初が肝心、折り目の無い綺麗なお札の中から一桁アルファベットを見付け
てみては。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数29枚