平成16年(2004)7月29日 木曜日

- 子育て環境 -

 台風の影響で朝から雨が降ったり止んだりです。この調子じゃ雨の止み間を、
なんて訳にはいきそうもないので、傘を持ってのお出かけです。案の定、途中に
もの凄い土砂降りがやってきたかと思えば、浅草寺本堂前では雲間から光が差し
てうっすらと虹も出ておりました。さっそく虹をカメラに納めたのですが、全く
写っていないのです。肉眼でもぼんやりとしか見えないのですからね。
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 いつもの散歩道、マンションのエアコンの室外機の上にいつもハトが止まって
通行する連中を見ている場所があります。なんとなく気にはなっていたのでした
が、今朝はハトも居なく、奥の方から小さな鳴き声が聞こえています。もしや、
案の定小さな雛が二羽鳴いているじゃありませんか。モモちゃんものぞき込んで
あまりのかわいらしさに喜んでいるようでしたよ。
 浅草寺から追い出される前は、境内で子育てをしていたハトたちも、しかたな
く街の中の適当な場所を探すのに必死だったのでしょうね。どうみても巣には適
さない不自然な場所なのです。それもエアコンの室外機なので、轟音でうなって
います。まだマンションの住人は気付いていないようですが、もし気付かれてし
まったらこの子たちはいったいどうなってしまうのでしょうね。
 ようやく10センチほどになった身体、だいぶ大きくはなったのでしょうが巣
立ちまであと2週間はかかりそうです。それまで無事に隠れていられると良いで
すね。
 あほまろとモモちゃんが巣の中を覗いている様子を、母親ハトが近所の家の屋
根の上からじ〜っと見ています。大丈夫ですよちょっと赤ちゃんを見せてもらっ
ただけですよ。今度、何かエサになるような物を持ってきてあげますね。心配そ
うに見つめていた親ハト、我々が去った途端に降りてきて子供達の様子を確かめ
ているのでした。ハトだって環境に負けずに必死に生きているんですね。
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 新聞に現代版「ノアの箱舟」なんて記事が載っています。絶滅寸前の生物の遺
伝子情報を網羅的に保存し、将来の研究のために残す計画がイギリスの博物館を
中心に研究されているそうです。
 絶滅の危機にある哺乳類や爬虫類、昆虫など数千種から組織片を採取し、抽出
したDNAと共に、ロンドン市内の研究室地下に零下80度で保存するとのこと
、将来のクローン技術の研究が完成した暁には、絶滅した種の再生を図るのが目
的なのだそうです。
 地球の温暖化や生息地の環境破壊などで、今後30年で哺乳類の4分の1、鳥
類の10分の1が絶滅の危機に晒されているのだとか。それらを守るために、今
後は外国の研究機関とも連携し、相互にバックアップ用のDNAなど遺伝子情報
を保管し、不慮の事故に備える計画なのだそうです。
 箱舟に乗った動物たちが大洪水を生き延びた旧約聖書の「ノアの箱舟」伝説の
現代版にちなんで、「凍結箱舟計画」と名づけられたそうです。でも、これって
自然の摂理を無視した神への冒涜じゃないでしょうかね。
 浅草寺のハトたちだって、真剣に自分たちに生きる道を探してさまよっている
ように、環境に適合出来なくなってしまった動物たちは滅びていくのが当然じゃ
ないのでしょうか。もし、地球の環境がすっかり変わってしまった数百年後に、
「凍結箱舟」を解凍したところで、どこで生活させるつもりなの・・・。
 そんな計画よりも、生きたまま動物園で生殖を繰り返しながら環境に対応させ
ていった方がより的確な処置のように、素人は考えてしまうのですよ。
 これが、動物だから許されるのでしょうけど、裏ではきっと人間のも・・・、
やってるんでしょうね。きっと。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数28枚