歩いていると背中に汗が流れているのが解るくらい暖かい朝になりました。モ
モちゃんの舌も出っぱなしでハアハアいって歩いています。こんなの今年始めて
でしょうね。モモちゃんが大嫌いな夏が近づいてきました。お腹の毛も少しずつ
抜け始めこれからモモちゃんは脱皮するのです。
これがまた大変なのです。これから7月頃までに、身体の毛が総て生え替わる
のです。冬の季節はたっぷりと毛を蓄えて保温し、夏に向かっては薄い毛で身体
を覆うのが野生で暮らしていた動物の知恵なのでしょうね。おかげで、これから
毎日散歩の途中で毛の手入れをしてあげなければいけないので、ブラシを持って
いくのが日課となるのです。
家の中で飼っている3匹の犬たちには毛の生え代わりはありません。手入れを
してあげなけれは、生え替わることの無い毛は汚れっぱなしなのです。家庭内で
手軽に飼えるように人間が創りあげた動物なのでしかたがないのでしょうけど、
野生の本能まで変えてしまうことって出来るのですね。これも、一種の遺伝子操
作なのでしょうか。家の中が毛だらけになるよりはどちらかといえば増しですけ
どね。
話は違いますが、人間の毛も生え替わるとどんなに便利でしょうかね。毎朝、
洗面所の鏡とのご対面で、日増しに薄くなっていく自分の頭を見ながら、そんな
ことを思っているのです。
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土曜日に開催される「一葉桜まつり」のポスターを六区の掲示板で見付けまし
た。こんなポスター貼っていたのですね。気付きませんでした。これによると、
「浅草・観音うら一葉ざくら並木 一葉桜まつり 小松通り 植樹一周年」と、
長たらしいタイトルが書かれております。イベントとしては、この日一日小松通
りを歩行者天国にし、富士小学校幼稚園児によるパレードを先頭に、江戸吉原復
元「花魁道中」が厳かに開催されるようです。
また、フリーマーケットや模擬店も出され、街角のステージでは豪華歌謡ショ
ーも開催されるとのことです。17日の土曜日午前11時(雨天順延)観音裏の
小松通りの満開の一葉桜並木にお集まりください。
もちろんあほまろも取材にいくつもりですが、この日は午後から「流鏑馬」も
開催されるので、忙しくなりそうです。撮影には、カメラバッグの他に、脚立や
三脚なども持たなければなりません。誰か助手を頼まなくっちゃね。
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平安中期、京都北白川の吉田少将惟房と美濃国野上の長者の一人娘・花御前と
の間には梅若丸という男の子がいました。五歳の時、父と死別した梅若丸は比叡
山月林寺に入り、彼ほどの稚児はいないとの賞賛をうけます。これに妬んだ松若
という稚児のいる東門院の法師達に襲われた梅若丸は、山中をさまよったのち、
大津の浜で信夫の藤太という人買いに奥州に売られてしまうのです。
旅の途中、梅若丸は隅田川の辺で病に倒れて置き去りされ、里人の看病むなし
く貞元元年三月十五日、十二歳の若さで帰らぬ人となりました。たまたま居合わ
せた忠円阿闍梨が、里人と墓をたて柳を植えたのでした。
一年後、息子の失踪に狂女となった母親が我が子を探して隅田川を渡ろうとす
ると対岸の柳のしたで大勢の人が念仏をとなえています。船頭に一年前に病で倒
れた梅若丸という十二歳の男の子いたことを聞きます。里人とともに母親が菩提
を弔うと梅若丸が霊として現れ、一時の再開を果たすのでした。
塚のそばに庵をたて母親もそこで暮らしますが、悲しみには勝てず浅茅池に身
を投げてしまいます。しかし、不思議にも亀が遺体を乗せて浮かびあがり、母親
は妙亀大明神として祀られ、梅若丸は山王権現として生まれ変わったのでした。
(梅若伝説)
墨田区堤通の木母寺に伝わる「梅若権現御縁起」には、「梅若伝説」と、その
主人公「梅若丸」を供養した「梅若塚」が残っております。今日、新暦の四月十
五日は梅若忌が催され謡曲「隅田川」が奉納されます。
「江戸名所百人美女・木母寺」でおなじみのお話です。能芝居や、鬼平犯科帳
にも登場するので、ご存じの方も多いでしょう。桜は散ってしまいましたが、境
内の八重桜を観ながら、「隅田川」の謡と、仏前にまつられた「梅若丸の絵馬」
で、古を忍んでみてはいかがですか。
なうあの向ひの柳の下に。
人の多く集まりて候は何事にて候ぞ。
さん候あれは大念仏にて候。
それに就きて哀れなる物語の候。
この舟の向ひへ着き候はん程に語って
聞かせ申さうずるにて候・・・・・
(観世流謡曲「隅田川」より)
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