平成16年(2004)4月9日 金曜日
- 四月は花 -

 四月は花の季節。歌人前田夕暮の詩に、「木に花咲き君わが妻とならん日の四
月なかなか遠くもあるかな」とあります。「四月、木に咲く花は、もとより桜な
れど、桜のみにあらず。白もしくは紫の木蓮の花あり。赤、白、淡紅色の椿の花
、また四月に繚乱たり。黒き、堅き肌の木々より、似ても似つかざる、優美にし
て、繊細なる花の一斉に咲き出づる不思議さよ」。
 今まさに四月、花々が一斉に咲き出します。しかし花の命は短いもので、浅草
のソメイヨシノはとっくに盛りを過ぎてしまいました。しかし、次にやってくる
新しい桜たちによって、まだ暫くは春の心を和ませてくれるのです。
 八重桜、彼岸桜、そしてこれからの浅草では一葉桜の並木が見頃を向かえるの
です。昨年観音裏の沿道に植えられた一葉桜もようやく根付き、浅間神社から千
束通りにかけて、新しい浅草の名所となってくれると良いですね。
 花は花でも、お悔やみの花はこの時期に相応しくないですね。浅草公会堂前の
スターの広場には、昨日お亡くなりになられた喜劇俳優の芦屋雁之助さんを忍ぶ
献花が捧げられておりました。質素な白菊を見ていると、「裸の大将」シリーズ
の山下清、花登筐さんのテレビ作品「番頭はんと丁稚どん」、森光子さんと共演
した「おもろい女」等々を思い出します。享年72才でした。
 また、一昨日は、三遊亭圓歌師匠門下筆頭の三遊亭歌奴師も他界されてしまい
ました。最近は一門会にも出演されなかったので、心配しておりましたが、肝臓
ガンで療養中だったそうです。享年62才っていうと、圓歌師匠より10才も若
いんですよ。
 四月は花の季節ですが、季節に関係なく弔いの花だけは見たくはないですね。
お笑いの世界で活躍されたご両人のご冥福をお祈り申し上げます。
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 昨日は「花まつり」でした。ここ浅草寺でも境内の二カ所と本堂内に釈迦立像
を安置され、甘茶と蘭の花が参詣客に振る舞われました。浅草寺幼稚園の児童た
ちによって、高さ2メートルの張り子の白象が曳かれた境内には、平日なので、
参詣客は少なめでしたが、訪れた方々はみなさん蘭の花を手にお釈迦さんの誕生
日をお祝いしておりましたが、盛り上がりには欠けていたようです。
 お釈迦さまの誕生日。クリスマスのようにもっと盛り上がっても良いのではな
いでしょうか。毎年毎年そんなことを感じてしまうあほまろです。
 そうそう、昨日書くのを忘れましたが、昨年12月から雷門前の並木通りで行
われていたイルミネーション。一昨日に総てが撤去されてしまいましたよ。ちょ
っと寂しい夜の雷門になってしまいましたが、浅草寺のライトアップは夜11時
まで続けられております。
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 とうとうイラクで日本人も狙われました。テロ組織が自衛隊の撤退を要求して
日本人3人を拘束した様子がテレビで繰り返し流されております。拘束されたの
は、高遠菜穂子さん、郡山総一郎さん、今井紀明さんの三人であることを確認し
た政府は、犯人側に「許し難い憤りを感じる」とするとともに、「自衛隊が撤退
する理由はない」断言した表明をしたようです。
 ある意味で、“テロの屈しない”態度で挑む政府方針は変わることがないよう
です。以前に攻撃されて死亡した外務省職員とは違い、人質になっているのはあ
くまでも民間人。犯人グループが人質解放の条件として3日以内の自衛隊撤退を
要求していることについて、今後の対応が気になります。
 それにしても今回拘束されているフリージャーナリストの郡山総一郎さんが、
朝日新聞のIDを持っていたのにもかかわらず、朝日側の対応は知らぬ存ぜぬ。
危険な場所に自社の社員は派遣せず、フリーの連中に金銭で情報を委ねている企
業体質が露わになったような。情報は金に成るというよりも、金を出す者がいる
から危険な場所に行く連中が後を絶たないのではないでしょうか。どっちにして
も、現地から生映像で送られてくるものはほとんど意味の無い映像ばっかりで、
いつも肝心な映像はアメリカ経由か、今回のようにアラブ圏の衛星テレビ・アル
ジャジーラなのですよね。
 日本のマスコミはイラクを引き揚げて、金銭で解決できる外国メディアからの
映像だけにしても、十分に用が足りるはずじゃないでしょうか。
 「四月は、花も開くし、心もひらけて度量もひろくなる」かも・・・。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数29枚