平成16年(2004)3月10日 水曜日
- 東京大空襲 -

 暖かい朝になりましたね。天気予報によると今日の日中の気温は18度まで上
昇するそうです。ようやく柔らかくなり始めた隅田公園のソメイヨシノの芽も、
一気に開花の準備を始めるのではないでしょうか。モモちゃんと一緒に観音堂の
階段に腰を下ろし、次々とやって来るいつもの犬仲間との挨拶をしながら暖かい
春の日差しでウトウト、しばらくそのまま座っていたい気持ちでした。
 こんな平和な朝ですが、今日は東京都民にとって忘れてはならない記念日なの
です。1945年3月10日、午前0時8分から2時間40分の間に334機の
B−29が飛来し、焼夷弾19万発での東京下町を中心にした絨毯攻撃、一夜に
して10万人以上の人々を焼き殺した日なのです。
 焼夷弾は爆発と共に周囲に油を撒き散らし火炎と熱風で人や民家を焼くのが目
的の爆弾なのです。当時の家屋はほとんど木でできており、またこの時期は強い
南風が吹き火事が起こりやすいことをあらかじめ調査しての空襲だったのです。
 あれから59年が経ちます。この東京大空襲を経験した昭和一桁生れの人は既
に70歳を過ぎ、実際に兵隊として戦地で戦った経験のある人は80歳を超えて
いるのです。
 この悲惨な状況を語り伝える人がだんだん少なくなってきましたが、東京大空
襲犠牲者追悼を行っている記念資料展実行委員会のみなさんをはじめ、被害に遭
った自治体が中心になって、資料と古老からの聞き取り調査は現在も続けられて
いるのです。
 浅草公開堂で行われている「東京大空襲資料展」には、当時を知る方がたに混
じって、若い連中も多く見かけるようになりました。二度とこのような悲惨な戦
争を起こさないためにも、この惨状を後世に伝えて欲しいですね。
 第二次世界大戦終了後、アメリカが中心になって開催された軍事裁判では、理
不尽な戦争を起こした日本は戦犯として裁かれ、アメリカの激しい空襲を受けた
のは当然の報いと一方的な判断が下され、悪いのはあくまでも日本だったと世界
に伝えられたのでした。戦後生まれのあほまろも、悪いのはあくまでも日本だっ
たと信じてきたのですが、イラクの政権が自分たちにとって都合の悪いものとい
う理由だけで、罪のない無数の市民を巻き込んだ戦争を自分たちの都合の良い正
義と理由付けするアメリカの態度を見ていると、第二次世界大戦においても悪い
のは日本だけじゃ無かったのでは・・・、本当に悪いのはアメリカじゃなかった
のだろうか、そんなことも考えてしまうのです。
 浅草寺境内には今も東京大空襲の焼け跡を残す銀杏が有ります。かつては東京
都の天然記念物として登録されていた木でもあるのです。当時はこの位置に有っ
た五重塔の門前に二本そびえていた大銀杏ですが、戦後の改築時に五重塔に向か
って右側で焼け残った大銀杏は現在の五重塔の前に移動され、左側の大銀杏だけ
が生まれ育った位置で生き延びているのです。
 本日午後1時より、隅田公園言問橋際に建つ「東京大空襲犠牲者追悼碑」前に
おいて、慰霊祭と追悼集会が開催されます。ぜひみなさんでお越しください。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数24枚