平成16年(2004)2月24日 火曜日
- 昭和回顧 -

 昨日に比べてちょっと気温が低いようですけれど、歩いていてとっても爽やか
な感じです。“隅田公園の早咲きの桜が満開になりつつありますよ”、そんな情
報を得て、さっそく隅田公園を歩いてみました。
 わずか3日間来なかっただけで、こんなにも様子が変わってしまったのですね
。この公園にはおよそ6種類の桜の木が並んでいるのですが、この桜はオオシマ
サクラの一種で、イチヨウサクラという種類です。本来はソメイヨシノが終わっ
た後に咲く桜ですが、このところの暖気で狂い咲きしてしまったようです。
 肝心のソメイヨシノはまだ蕾も小さく時期尚早って感じですが、このオオシマ
サクラとヒガンザクラの一種は蕾が膨らんでいるものも多いようです。ちょうど
満開を向かえた白梅の木と並んで咲いている様子を見ていると、そろそろ春真っ
盛りですよって見るものに訴えかけているようでした。
 ここ隅田公園では、これからシダレザクラの花が開くのを合図に、ソメイヨシ
ノ、オオシマザクラ、ヒガンザクラが同時に開花し、それが終わるとウコンサク
ラ、イチヨウザクラ、ジュズカケサクラが続き、最後にフゲンソウと、カンザン
と5月初旬まで楽しめるのです。
 あほまろはソメイヨシノはもちろんですが、最後に咲くカンザン(関山)の色
がとっても好きなのです。サトザクラの一種で、古来から園芸用に改良されてき
たサクラで、紅色の八重桜って感じのサクラって感じなのです。花びらの大きさ
が直径5センチにもなり、満開になるとそれはそれは見事なのですよ。カンザン
は、世界各国で愛好されており、学名は訓読みで“セキヤマ”なのに和名は“カ
ンザン”と音読みなのが不思議ですね。でも、その花びらの大きさによって、風
に弱く満開はほんの一瞬だけ。まさに花の命を感じさせられる桜なのです。
 「関山」のネーミング、まさにふるさとの四境をめぐる山に咲く花という意味
で、日本人の心の故郷を表しているようです。歌舞伎で有名な吉野山の桜、実は
このカンザンだったのですよ。ソメイヨシノは、明治になってからエドヒガンザ
クラとオオシマザクラの雑種として、東京染井の植木屋から売り出されたのです
から、江戸時代には有る訳ないのです。
 名奉行として映画テレビでおなじみの遠山金四郎。彼の入れ墨がソメイヨシノ
ってのは時代錯誤も良いところ、せめてカンザンのような大振りの桜にして欲し
かったですね。何はともあれ、これからの浅草は桜でいっぱいになるのですよ。
 今日2月24日というと、あの忘れもしない昭和天皇の「大喪の礼」の日でし
たね。あの日は、早朝から小雨降る中、助手と二人で三宅坂で昭和天皇を乗せた
車列を撮影したのを思い出します。その後銀座や新宿など、歌舞音曲を慎んだ寂
しい繁華街を歩き回ったのを思い出します。また、この日は特別法が施行され、
“昭和天皇の大喪の礼の行われる日は、休日とする”、そして、“国の儀式とし
て、大喪の礼を行う”とまで決められましたね。昭和の終わりを実感した日でも
ありました。
 あれから満15年も過ぎてしまうと、「平成」が当たり前になってしまい、昭
和は大正明治同様に過去として人々の記憶から失われつつあるようです。浅草の
雷門の提灯もあれから3度(昨年の失敗で作り直したので本当は4度)掛け替え
られています。平成元年の写真を見ているとすでにセピア色に感じてしまうので
すよ。(写真は今朝の雷門です)
 あの日、あほまろが育った昭和という時代を“映像で残そう”、そう自分に誓
ってきました。振り返ってみると、すでに絶滅してしまったものや絶滅が危惧さ
れるものなど、映像だけにとどまらずありとあらゆる昭和の軌跡までも集めてし
まったようです。
 あほまろの余生はそれらを整理する時間に充てよう、そんな気持ちでいるので
すが、整理どころか日増しにその数を増やしていくモノの数々。このホームペー
ジと同様、これじゃ一生かかっても整理は不可能でしょうね・・・。
 あほまろが毎日撮っている浅草の朝の写真も、15年後には単なる古いものと
して退色してしまっているのでしょうかね。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数34枚