平成16年(2004)2月19日 木曜日
- ハトの命 -

 造花でも桜が咲いた仲見世を歩くと心はウキウキ“春”ですね。梅の花には、
モズやスズメが戯れています。こんな可愛い鳥たちも今流行の鳥インフルエンザ
を心配しなくちゃいけないのでしょうかね。
 浅草寺といえばハトが有名でしたね。でしたね・・・、って過去形になってし
まった現在、境内はとっても静かで広々しております。これでようやく数百年間
悩み続けていたハトの糞害から逃れることができたので、お坊さんたちはホッと
しているのでしょう。
 今朝もどっかのテレビクルーがカメラや照明機材を担いで境内にやってきまし
た。その連中に、“ハト豆は何時から売るのですか?”、“もう売らないのです
よ。ここでハトにエサをあげることが出来なくなったのです”、そう答えてあげ
ました。彼らはちょっと残念そうでしたよ。浅草寺っていえば、やっぱりハトが
有名でしたからね。
 「さんまのからくりテレビ」って番組から、「ハトマメ」という歌がヒットし
ています。この番組で有名になった変な外国人連中の歌う歌は、もちろんハトで
有名な浅草寺。この曲のプロモーションビデオを撮影した頃(昨年11月)には
まだ、たくさんのハトが遊んでいました。変な外国人連中もハト豆を買って戯れ
ていたのです。
 それが、突然のエサやり中止令。浅草寺境内は浅草寺の所有なので、ここを訪
れる者はその規定に従わなければいけないのです。最初の頃はまだ誰かがエサを
くれるのではないかと期待して待っていたハトたちも、禁止令から2月を過ぎた
今、その姿をまったく見かけない時もあるほど居なくなってしまいました。
 浅草寺としては、タイムリーに、“流行のインフルエンザから観光客を守るた
め・・・”、なんてとって付けたような言い訳も一つ増えたようです。
 テレビ関係のスタッフ連中は、「ハトマメ」のヒットの背景を撮影しようと、
当然ハトが居るハズの浅草寺にしょっちゅうやってきます。そのたびに事の経緯
を説明してあげているのです。
 浅草寺のハト豆や奈良公園のシカせんべいを間違えて食べてしまった外国人の
エピソードを面白おかしく歌った「ハトマメ〜Say Hello To The World.〜」。
 みなさんも「ハトマメ」のCDを買って、“浅草寺にハトを戻せ”運動を盛り
上げませんか。
 今年の「第20回浅草芸能大賞」の授賞式が3月20日に行われます。案内の
ポスターがあちこちに貼られました。授賞式当日は、受賞者による「受賞記念公
演」をはじめ、落語家や漫才師などが多数出演する「浅草名人会」、それに浅草
公会堂前に設けられている「スターの広場」に、新たに手型を収める芸能人を顕
彰する「スターの広場手型顕彰式」などが行われます。
 記念すべき20周年記念の大賞受賞者は、落語家の桂歌丸師匠・奨励賞は俳優
の松井誠さん・新人賞は歌舞伎俳優の中村獅童さんです。選考に当たっては、一
般から公募した70人の「区民審査委員」から候補者を推薦してもらい、芸能界
に精通している専門家10人で構成された「専門審査委員会」で慎重な審議が行
われて決まったそうですよ。それにしても、桂歌丸師匠がまだここに手形が無か
ったってことに驚きますね。そういえば、先日亡くなった桂文治師匠の手形も無
かったのですよ。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数28枚