平成16年(2004)2月17日 火曜日
- アドバルーン -

 春の嵐も治まり、また冬に戻ったかのように寒い朝になってしまいました。そ
れもそのはず、今日は雪の特異日なのだそうです。東京で雪が降る確率が一番高
い日なのです。統計によれば、1981〜87年の7年間で70%の確率で雪が
降ったのですが、この特異日を制定した翌年から今まで雪が降ることは無いよう
ですね。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。
 年度末が近づくと浅草のあちこちで工事中が多くなります。現在、雷門通りの
沿道に新しい街路灯を設置する工事が行われております。それと同時に歩道のタ
イル張り工事も平行して行われているため、モモちゃんの散歩も裏道を通らなけ
ればいけない状態なのです。
 また、浅草寺五重塔通りに新しく出来た門の間を江戸風情ある商店街に生まれ
変わる工事も行われており、今朝はガラス張りのショーウィンドウでおなじみだ
った洋装店のショーウィンドウの撤去作業が行われておりました。商店で売って
いる物とは関係なしに、通りを歩く人には江戸の雰囲気を楽しめせてくれるそう
ですよ。時代劇のような町並みが完成するのでしょうかね。のれんをくぐると、
マネキン人形が洋服を着て並んでいるのも楽しいかも・・・。
 この時期になると、浅草寺境内の銀杏の枝払いが行われます。東京大空襲の損
傷を今に残す大銀杏も枝を払われてすっきりした様子です。この銀杏の木は、あ
ほまろが集めている明治〜大正時代の絵はがきにも写っており、高さは失われた
ものの、その枝ぶりは当時のままなのです。写真に写っている木と、その先に見
える木との間に、昔の五重塔が建っていたのです。安藤広重の名所江戸百景にも
この大銀杏の姿が描かれているのですよ。
 雷門通りのスーパーが今日オープンです。朝から開店記念品を目当てに近所の
方が数名並んで待っているのです。記念品っていったってどうせ向かいの100
円ショップで売っているよな物なのでしょうが、最近は企業グッズなる物もお宝
に成る時代ですから、持っていると価値が出るかもね。
 最近あまり見かけなくなってしまった大きなアドバルーンが二個揚がっていま
す。我が家のベランダからこの風に揺れるアドバルーンを見ていると、何故か懐
かしい感じがします。
 今でも時々町で見かけることがあるアドバルーンですが、のっぽビルが乱立す
る現在ではほとんど目立たなくなってしまい、激減してしまったのでしょう。こ
のアドバルーンってのは、大正5年に東京の銀星アド社という会社が広告の気球
として始めた日本独自のアイデアなのだそうです。
 最初は日本橋のデパートの新装開店でお披露目でした。その頃の絵はがきを見
ると、必ずどこかにアドバルーンが揚がっているのが見えるのです。また、有名
な226事件の時にも、クーデターを起こした青年将校たちに向けてのメッセー
ジにアドバルーンが使用されました。アドバルーンの効果は絶大なものだったの
ですね。このアイデアで例の風船爆弾って奇妙な武器にも応用されたのでしょう
かね。何はともあれ、日本中が元気だった高度成長期の街のシンボルとして金字
塔を打ち立てたアドバルーン。今となっては絶滅危惧商品の一つになってしまっ
たようです。
 古の街浅草には、どことなくアドバルーンがぴったりな雰囲気なのですね。で
も、せっかくのアドバルーンも表通りからは見えないのです。あえて我が家のよ
うに、ちょっと後ろに下がった住民に対するアピールなのでしょうかね。
 久しぶりに懐かしい物を見せてもらいました。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数34枚