平成16年(2004)2月3日 火曜日
- こいつは春から -

「こいつは春から縁起が良いわいなぁ・・・」
 朝からそんな気分のあほまろとは裏腹に、モモちゃんが不機嫌なんです。実は
、 この二日間“うんち”が出ないんです。今日もいつもの用足し場所を色々と歩
いたのですが、やっぱりだめなんです。困った困った。この日記を終えたらもう
一度散歩に行きましょうね。
 今日は節分です。この節分とは、“季節を分ける”って意味で、本来は春夏秋
冬全てに節分があるのです。しかし現在は春の節分だけを「節分」と呼ぶように
なってしまいました。かつては大晦日的な意味合いもあり、“鬼やらい”の行事
として“豆まき”が行われていたのが現在にも伝わっているのですね。
 関西では、節分の夜に恵方に向かい太巻きを食べると幸福になるという不思議
な言い伝えがあるようです。今朝テレビでやってました。それによるとこの言い
伝えってのは、昭和62年に関西の海苔業者が勝手に制定したのを誰がいうとも
無く“言い伝え”として定着したようです。
 何をするかというと、その年の恵方(西暦年の末尾1桁が、0,5なら西南西
、1,3,6,8なら南南東、2,7なら北北西、4,9なら東北東)に向かっ
て、海苔巻きをひとりで1本食べきるまでは誰とも話してはいけないのだそうで
すよ。“福を巻き込む”のだそうです。全くおかしな風習をでっち上げたもので
すね。こんな民間信仰にも似た行事も数百年も経つと「節分の伝統行事」として
、豆の変わりに「海苔巻き」を蒔いているのかも・・・。
 ちなみに、今年は2004年なので東北東が恵方。あほまろの家からはちょう
ど観音様の方角です。さて、海苔巻きを買ってきて、1本丸ごとかぶりついて・
・・、そんなバカげたことやらないですよ。
 『豆は体に溜まった穢れを清め、ヒイラギの小枝にイワシの頭を刺したものを
軒下に飾り、災いが家内に入り込むのを防ぎ、“鬼は外、福は内”の掛け声とと
もに豆をまく、それを年齢の数だけ食べると、今年一年間は災難を逃れ、無事で
居られる』
 考えてみると、この豆撒きだって、南北朝時代の民間信仰から派生したもの。
海苔巻き丸かじりとなんら変わることが無いような・・・。
 昨夜は歌舞伎座に行ってきました。そろそろ初午のシーズンとあって、場内に
は「地口行灯」が飾られていました。初午というと、旧暦二月の最初の午の日に
おいなりさんを祭る日です。新暦に直すと、今年は2月21日が初午となるので
す。
 あほまろは毎月歌舞伎を観劇しています。もちろんお芝居を観るのが目的です
が、歌舞伎座の場内の飾りやおみやげ屋さんで売られる物にも、古くから伝わる
風習が息づいているところでも有るのですよ。これが好きで止められないのかも
ね。
 昨日の演目は「三人吉三巴白波」、それも四幕八場の通し狂言です。ご存じ、
名刀庚申丸(こうしんまる)と、それを売った代金百両が微妙にからみあいなが
ら展開していくお話です。振袖姿で八百屋お七のこしらえをしたお嬢吉三が板東
玉三郎、浪人姿のお坊吉三が片岡仁左衛門。小坊主あがりの和尚吉三が市川団十
郎と超豪華な顔ぶれ。百両が何人かの手を通過する度に、数奇な因縁が暴かれて
いくという、まさに江戸時代のサスペンスドラマを観ているかのような展開。そ
んな中にも、きっちりと描かれている親子の因果と義兄弟の契り。河竹黙阿弥の
傑作といえるでしょう。
 “待ってました”の名台詞、「こいつは春から縁起が良いわいなぁ・・・」、
“ふんずまり”のモモちゃんには悪いのですが、昨夜の余韻を感じながらの散歩
でした。今朝の写真

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数26枚