平成16年(2004)2月2日 月曜日
- 浅草再発見 -

 雨の予報ですが、降り出す前に駆け足で散歩を済ませてきました。空はどんよ
りと曇っていますが、しばらく雨なんて降る気配が無いのですけど・・・。
 明日は節分で、浅草寺でも豆撒きが行われます。境内では豆撒きの舞台制作も
終わりあとは紅白の幕を付けて完成です。また、神社の壁には節分に出席する芸
能人のリストも貼りだされました。これによると、落語家や漫才師の名前に混じ
って、今ではほとんど姿を見せなくなった、かつて浅草で名を揚げたゆかりの人
達も参加するようです。
 芸能の街といわれた浅草、ここで育ってメジャーに去っていった方々は数知れ
ず、せめて節分のお祝いの時くらいみなさんが集まってくれても良いのじゃない
でしょうか。名前のリストを見ているとちょっと寂しい気持ちになりました。
 昨日、NHKのハイビジョン中継で浅草が大々的に取り上げられました。5年
間にわたって日本列島をめぐって、全国46道府県を紹介してきた「お〜い、ニ
ッポン」。その最終回が東京都だったのです。今回ののテーマは『ワクワクTO
KYO再発見』。都心の観光名所や郊外のニュータウン、国際色あふれる食文化
など、多彩な顔を持つ東京の文化と暮らしを生中継で8時間ぶっ続けの放送なの
です。さすがに8時間テレビの前に居るわけにもいかないので、午後から浅草が
登場するところだけを録画しておいたのです。
 浅草といえば雷門。放送の冒頭も雷門から仲見世の紹介です。画面で見ている
と毎朝歩いている仲見世とは大違い、まるで別の通りを見ているような錯覚を受
けてしまいました。えっ、あんなお店が有ったんだ・・・、あれ、あそこはこん
な物売ってたっけ・・・、考えてみたら混雑する休日の日中仲見世を歩くなんて
こと無いですものね。浅草に住んでる者にとっても、とっても新鮮な映像に暫し
釘付けです。さすがNHK、『ワクワクTOKYO再発見』でしたよ。
 この中継の中で、今も生きる浅草芸人の紹介もされました。六区の中心部でク
ジラ専門の居酒屋を営業する「くじら屋」さんの店内から若手の芸人を集めての
中継です。このお店は、かつて浅草が華やかだったころ松竹演芸場で大宮デン助
劇団の舞台に立っていた河野さんのお店です。このお店は以前は別の場所で営業
していたのですが、手狭になったのを理由に4年ほど前に現在の場所に移ってき
たお店です。
 ここのお客さんには、浅草時代に河野さんにお世話になった芸人が大勢訪れる
ので有名なお店、その証拠に訪れた芸能人が壁に書き残したサインがいっぱい。
特に河野さんが今でも親しくしている北野武(ビートたけし)さんもしょっちゅ
やってくるのです。
 昨日の放送の中でも、むかしビートたけしが歌たった歌が流れていました。そ
の歌詞の中にも、♪浅草仲見世そのそばに、煮込みしかないくじら屋が〜♪なん
て実名も入っているのです。たしかに、ここの名物は「煮込み」です。もちろん
クジラのベーコンや竜田揚げなんてのも有りますが、ここを訪れる客は安焼酎の
水割り片手に「煮込み」だけ。どんなに食べても2〜3千円で済んでしまうとっ
ても経済的なお店なんです。
 あほまろが学生の頃の浅草にはこんなお店が軒を連ねていました。フランス座
の呼び込みのアルバイトをしていた頃、浅草芸人の師匠と呼ばれていた深見千三
郎さんに良く連れて行って貰ったのも毎回こんなお店。今となっては、華やかだ
ったころの浅草の面影を残すただ一件のお店なんです。
 さすがNHKだけあって、押さえる壺を知っているようです。民法が浅草を紹
介する時には、最近出来た居酒屋さんや焼き肉屋さんだけ。そんな店が浅草のイ
メージだと誤解されるような番組をしょっちゅう目にします。これらの番組は、
タイアップといって、ほとんどがプロデューサーがお店から袖の下を貰ってのヤ
ラセ番組なのです。これからメジャーに成るかもしれない芸人を可愛がる河野さ
んの真剣な姿になんて目もくれずに・・・。
 最近河野さんも体調をくずしているようですが、かつての浅草の面影をいつま
でも守り続けてください。微力ながらあほまろも応援しますよ。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数26枚