平成16年(2004)1月28日 水曜日
- 写真のほう -

 “写真のほう撮っていただいてもよろしいでしょうか?”
 雷門前で写真を撮っていると、若い女性の三人組からカメラを差し出されまし
た。三人揃っての記念写真が欲しいのは察しがつくのですが、どうもその言葉が
気になります。
 雷門前では、しょっちゅうカメラのシャッターを切って欲しいと頼まれるので
すが、その頼み方もそれぞれなのです。“すみません、写真を撮っていただけま
すか?”、それで充分丁寧なお願いだと思うのですが最近の若者は敬語の使い方
を勘違いしているのか、二重にも三重にも敬語を重ねれば良いかのような言葉を
使うのです。
 “すみません、申し訳ないですけど、写真を撮って頂いてもいいですか?”
次の宝蔵門前ではそんなお願い。シャッターを切ってあげていると、後ろから来
たカップルも、“すみません、私たちの写真のほうもよろしいでしょうか?”。
 “ほう”を広辞苑で調べてみると、『話題のものをぼかして、その部面である
ことをいう語。「設計の方をやっている」。並べて幾つか考えられるものの、一
つ。「酒より菓子の方がいい」。どちら
かといえばこれだという部類をいう語。「勇気のある方だ」[広辞苑第五版]』
 意味合いは間違ってないようですが、“どっちかというと写真ほう・・・”っ
てことは、“よろしいですか?”と同じ意味じゃないですか。
 近所のスターバックスの店員もそんな言葉を多用します。“ご注文のほうは、
ホットコーヒーのレギュラーのほうでよろしいですか”、どっちのほうでもやけ
に耳障りな言葉ですね。おまけに、“こちらでお召し上がりになられますか?”
だって。食べる、飲むの尊敬語は「召す」 、食べるの尊敬語は「あがる」 、尊
敬表現の「お(ご)〜になる」 、 尊敬の助動詞「れる」が含まれていて、これ
って過剰敬語になっているのですよ。“こちらで召し上がりますか?”で充分な
のです。こんな言い回しいったい誰が考え出したのでしょう。きっとマニュアル
が間違っているのでしょうね。
 写真を最初に頼む時は、彼らにとって最も丁寧な言葉を選んで使うのでしょう
が、たいていの場合、事が終わった後には、“どうも”、だけで済まされてしま
うのがとっても味気ないのですけどね。せめてお世辞にも、モモちゃん可愛いね
なんて声も聞いてみたいですよ。若者たちよ・・・。
 浅草寺本堂内で奇妙な連中が奇妙な踊りを踊っています。なにやら唱えている
言葉は中国語のようなので、台湾から来た連中なのでしょう。教祖さまのような
人を中心に、鳥のように大きく手を広げて走り回っています。浅草寺のお坊さん
たちも奇異な目で彼らを見ていたのですが、他の参拝客に迷惑になるのと、係の
お坊さんが注意をしています。同じ仏の道に携わる宗教家としても黙認する訳に
はいかないのでしょう。
 “某宗教を信じることと、某宗教を信じる自由を擁護することは違う”と分か
っているはずの宗教家でも、某教祖を支持することと、某教祖のおしえを支持す
ることは違う”ってことでしょうね、やっぱりあやしい宗教なのでしょう。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数31枚