平成16年(2004)1月5日 月曜日
- 御用始め -
 お正月気分も抜けて、今日から官公庁も一般企業も御用始めです。伝法院通り
には久しぶりに通勤客が戻ってきました。また、今年最初の競馬「金杯」で一攫
千金を目指す連中と交差する光景ってのは、年に一度、この日だけお目にかかれ
る、いつもの浅草とは違った雰囲気でもあります。
 浅草に住んで5回目の正月を過ごし、ここでの生活が当たり前になってしまっ
たいまだこそ、通勤客と場外馬券場に向う連中とが融合する通勤路に違和感を覚
えるのでしょう。
 また、浅草に住めば住むほど、観音様を背負った伝統文化を守り続けていると
いう自負が、古くから住んでいる人の気持ちを、排他的にしてしまい、よそ者を
素直に受け入れない特殊な閉鎖性を醸し出してしることも痛切に感じるようにな
るのです。
 そんな気持ちが、場外馬券場に向かう連中と、通勤するサラリーマン。お互い
がすれ違う時の目の動きにも垣間見れるのです。自分たちが守っている文化圏を
荒らしている連中を見るような。だから浅草が面白いのかも・・・。
 浅草寺境内に出店しているお店もポツポツと無くなってきました。本堂脇で繭
玉飾りを売っていたお店も、今朝は片付け始めました。お正月も5日になれば、
誰も買ってくれなくなるそうです。今度は何処でお店を出すのかを聞いてみると
、もちろん繭玉は来年の正月まで売れるわけがないので、次は成人式に招き猫を
売るお店を出すそうです。元締めに売れた分だけの支払いをすれば良く、残った
物はまた来年の正月に売れるし、“季節毎の縁起物に流行が無いのが良いね”。
 今日、片づけが終わったら、場外馬券場に行くと言ってました。浅草の伝統文
化の一端を担って、お正月の雰囲気を醸し出してくれている彼らは、もちろん浅
草の人間じゃ無いのです。大勢の初詣客が訪れ、浅草という古からの伝統を訪れ
る人達に与えてくれている人達は正に彼らなのでしょう。
 観音様を背負った伝統文化を守り続けていると自負している連中に、この雰囲
気は創れないでしょうね。
 今朝の朝刊に、“警官不祥事防止へ「大切な人」同行”、兵庫県警が個人の大
切な人の写真を携帯することを今日から義務づけることになったようです。昨年
は、現職警官が強姦致傷や加重収賄容疑で逮捕されるなどの不祥事に悩まされた
兵庫県警。再発防止の全警察職員に家族や恋人の写真を携帯させて勤務にあたら
せるということなのです。
 大切な人を思えばこそ、仕事もきちんとこなせるはず。そんな狙いなのだそう
ですが、家族や恋人の写真を携帯していることで、危険な場所に立ち入るのを躊
躇するって逆効果も考えられるのじゃないでしょうかね。また、時々抜き打ち検
査で写真携帯を確認することも有るそうです。まるで、高校生の持ち物検査のよ
うで笑ってしまいます。
 家族や恋人の居ない人は、アイドルの写真を携帯しても良いのでしょうかね。
ニュースでは、そんな事には触れていませんが、昨年末にも大切な人の写真を撮
ろうと、カメラ付き携帯電話で女子高校生のスカートの中を撮っていた兵庫県警
の警察官がお咎めを受けました。そんな写真や裸の写真でも携帯していて良いの
でしょうね、きっと。
 アメリカなどの西洋諸国では、家族の写真を持ち歩くのが当たり前。誰もが、
会社の机の上に家族の写真を飾っています。また、財布や名刺入れにも入れて持
ち歩くのが常識。それでも、大都市では警官の不祥事は止まないようです。
 兵庫県警では、「写真作戦」を打ち出したのは、言葉のみの訓示や指示だけで
は不祥事を防ぎきれないと考えたからだそうですが、これ以上、不祥事を起こし
てはならないと、必至に県民の信頼を取り戻そうとする県警の努力だけは認めた
いですね。
今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数51枚