2003年11月17日 月曜日


今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数41枚

木枯らし一番

 風が強く寒い朝になりました。予報で
は“木枯らし一番”なんて騒いでいます
が、確か先月もそんなこと言っていたよ
うな。何を基準にして“木枯らし”と称
するのか判りませんが、北風がとっても
強くて冷たいのです。
 こんな日はいつもより鮮明な富士山を
見ることができます。ところで、現在の
東京から富士山が見える場所はいったい
どのくらい有るのでしょう。勿論、西側
が開けたビルの上層階からは何処からも
見えるのでしょうけど、以前調べたとこ
ろでは、日暮里あたりの坂の上からとか
、荒川の土手や橋から、京浜急行で多摩
川を渡る手前の蒲田付近からなど、まだ
地べたから眺められる場所も有るようで
す。この時期になると、その附近にお住
いの方がちょっと羨ましい。そう思って
しまうくらいに今朝の富士山は綺麗なの
ですよ。
 そういえば、以前に読んだ、丸谷才一
氏の「闊歩する漱石」の中に、三四郎と
東京と富士山なんてのも有りましたね。
あれは確か台東区の根岸あたりから見え
る富士山だったような・・・。
 約1月半に渡って繰り広げられた「大
浅草まつり」も昨日で終わってしまいま
した。仲見世に飾られていた花笠飾りも
すっかり取り外されてしまい、なんとな
く寂しい沿道になってしまいました。明
日には、この屋根の梁も取り外されてし
ますそうです。これから12月までの暫
しの間、仲見世はすっきりとした青空で
覆われるのです。あほまろは、この青空
の時期は、とってもすっきりした気分で
散歩ができる浅草で好きな光景の一つな
のです。
 「宮本武蔵」の名を知らない日本人は
居ないでしょう。すでに江戸時代にも歌
舞伎や浄瑠璃に演劇化され、近代に入っ
てなおもその英雄伝説の勢いは衰えず、
逆に、吉川英治氏の小説の大成功以来、
国民的ヒーローの代名詞となって語り続
けられているのです。
 昨夜は、NHK大河ドラマ「武蔵」で
もおなじみ、新橋演舞場で公演されてい
る市川新之助のお芝居を観てきました。
今回のお芝居は、新歌舞伎の手法で上演
され、テレビでは一年に渡って武蔵の生
涯を描いているのですが、武蔵(たけぞ
う)とよばれていた頃から、吉岡一門と
の死闘、更には佐々木小次郎との舟島(
巌流島)での決闘までを、たった2時間
半で総てを演じてしまうのです。
 この新歌舞伎の手法、以前にも「源氏
物語」で行った手法と同様、市川家総出
演で力が入ったお芝居だったのでしょう
が、あほまろにとっては、何か物足りな
いというか、盛り上がりに欠けていると
いうか、涙も感度も観た後の充実感も無
い、正に世に言う緞帳芝居の感。NHK
大河ドラマでご承知のストーリーと、割
り切っての演出なのでしょうが、原作者
の吉川英治氏が観たら、きっと嘆くでし
ょうね。
 誰もが知っている「宮本武蔵」なので
・・・、しかしながら、“真説”宮本武
蔵を称する評伝の中にさえ謬説(びゅう
せつ)おびただしく、とうてい武蔵の真
実を伝えるものではないのでしょう。と
りわけ、武蔵の出生地に関しては、まさ
に謬説が世間では支配的となっているの
です。時代劇小説ファンとして、まこと
に嘆かわしいことでもあります。
 宮本武蔵伝説は、司馬遼太郎氏や、熊
本の島田真富が主宰する宮本武蔵顕彰会
など、数々の説が存在するようです。特
に武蔵の出生地論争、その中の美作(み
まさか:岡山県北部)説に異論を唱える
人も多いようです。吉川英治氏は、多く
の大衆小説を書いています。この「宮本
武蔵」も、“面白ければ、それが史実と
違っていても、お話しとして楽しんでく
ださい”、そう言っているようです。
 昨夜も、NHK大河ドラマのおかげで
、町おこし・村おこしの手段として、「
観光化」に寄与したと喜ぶ、岡山県の町
村団体の方が、大勢で来てましたよ。