2003年9月28日 日曜日


今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数38枚

十二直

 大安の日曜日、浅草神社では数組の結
婚式が予定されているようです。早朝か
ら、写真屋さんが忙しそうにストロボの
セッティングを行っておりました。
 徳川三代将軍家光公によって建造寄進
された浅草神社の社殿は、三百年以上も
経った現在でも、変わらぬ姿を保ってい
ます。国の重要文化財にも指定された社
殿での結婚式は、浅草に住む者にとって
、憧れの結婚式場なのです。ここで、挙
式を終えると、1人乗型の人力車2台で
浅草の繁華街をお披露目しながらビュー
ホテルの披露宴に向かうってのが一般的
なのです。また、いつから誰が言い出し
たのかは不明ですが、お披露目の人力車
の行列と遭遇した人も幸せになれるそう
ですよ。
 そういえば、NHKの「こころ」の結
婚式もここで行われましたよね。勿論、
人力車道中もやってましたよ。あの時は
、あほまろもモモちゃんと一緒にその様
子を見ていたのですけど、この夫婦は長
くは続かづに死別してしまいました。同
時に、あほまろも倒れて入院してしまっ
たのですよ。あの幸せになれるって噂、
あてにならないのですね。きっと、人力
車屋が流したデマ宣伝のようなものなの
でしょう。最も、「こころ」の結婚式の
撮影の日は、仏滅だったってことが災い
しているのかもしれません。
 なぜ、仏滅の結婚式っていけないので
しょう。大安とか仏滅などという言葉を
、六曜と称して明治の新暦移行と、それ
に伴う民間暦の禁止通達以降に関心がも
たれるようになった風習なのです。
 その意味は、人間というのは将来のこ
となんか分かる訳ありません。なにかし
らちょっとしたことに「前兆」とか「縁
起」とかを感じ、心の安らぎを得ようと
します。それがたまたま、結婚式の朝に
白い鳥が羽ばたくのを見た、ということ
であってもいいですし、今日は大安だか
ら安心、というのでもいいでしょう。
 一種素朴な信仰のようなものであって
、大安だから安心、と言っているカップ
ルに向かって「そんなもの意味がないぞ
」と力説するのも大人げないですし、仏
滅だから式場が安くていい、などといっ
ているカップルに「そんな縁起が悪いじ
ゃない」というのも少し違っているよう
に思いますね。
 宗教の自由があるのと同様に、このよ
うな素朴な信仰も各自の自由なのではな
いでしょうか。どちらにしても、こうい
うものには、はやりすたりがあります。
六曜で結婚式や葬式の日取りを決めたり
動かしたりすることが数百年先まで続く
とは思えません。またその内に、何か新
たなものが出てくるのではないでしょう
か。江戸時代は六曜ではなくって、「建
(たつ)」「除(のぞく)」「満(みつ
)」「平(たいら)」「定(さだん)」
「執(とる)」「破(やぶる)」「危(
あやう)」「成(なる)」「収(おさん
)」「開(ひらく)」「閉(とず)」の
「十二直」ってのを気にする人が多かっ
たそうです。 ちなみに、婚礼の儀は、「
成」日が好まれたようです。この日は、
造作・婚姻・立願・入学・出行・移転・
種蒔などに吉、訴訟に凶という日なので
すから。
 「奥山風景」と、「平成中村座」の外
観がすっかり出来上がりました。今年の
演目は、昼の部が通し狂言『加賀見山再
岩藤(かがみやまにごちのいわふじ)』。
夜の部が『弁天娘女男白浪(べんてんむす
めめおのしらなみ)』『本朝廿四孝(ほん
ちょうにじゅうしこう)』『人情噺文七元
結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
』の三狂言です。
 『加賀見山再岩藤』は、お家乗っ取り
をたくらむ望月弾正と、岩藤と、奥方を
あやまって殺してしまう鳥居又助との因
縁物語ですが、このお芝居にも、「十二
直」にかかわる日の善し悪しが出てまい
ります。
 伝統芸能を深く知りたい方は特に、旧
暦と十二直を調べてみることで、より詳
細に楽しめるのですよ。