2003年7月5日 土曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数29枚

身分相応

 梅雨の中休みで、清々しい朝になりま
した。散歩に出かけようと玄関に行くと
、見慣れない靴が置いてあります。女房
が、この靴を慣らしておいた方が良いん
じゃない。そうか、先週銀座で衝動買い
してしまったヨーロッパの何処かの国の
バーリーなんてビーバーみたいな名前の
高級舶来物の靴なのですよ。
 バックスキンでちょっとカジュアルな
感じ、気分が良いね。若い頃だったら、
デートの勝負靴なんちゃって。子供の頃
、新らしい靴を買って貰った時だけは、
水溜まりや汚い場所を避けて通ったよう
に、普段は全く気にしていない、ちょっ
との水滴も気になってしまうのです。い
つものモモちゃんが用足しをする植え込
みの中に入るのだって、ためらってしま
うような、高級舶来靴なんですよ。
 でも、浅草寺境内に差し掛かった頃か
ら様子がおかしくなってきたのです。足
が痒いような痛いような。そんな感覚が
どんどんエスカレートし、ついには痛く
て歩けなくなってしまいました。靴を脱
いでみると、かかとの上が靴擦れで皮が
剥けているではありませんか。モモちゃ
んの用足しビニールを破いて傷口にあて
がい、なんとか擦れるのを我慢しながら
も高級舶来靴の方が心配。モモちゃんに
曳かれるように、いつものコースを歩き
続けました。
 痛い足と、高級舶来靴をかばいながら
隅田公園まで歩いてきた時、益々最悪な
事態に遭遇してしまったのでした。いま
まで、右足をかばって歩いていたため、
左の足も痒いような痛いような。これっ
てヤバイですね、結局、両足が痛くて痛
くて、まともに歩けなくなってしまった
んですよ。
 いっそのこと、舶来高級靴を手に持っ
て、その辺のホームレス連中に見せびら
かしながら、ハダシで歩きたいそんな心
境なのです。
 身障者のように、よたよたと奇妙な格
好で歩いていると、“モモちゃんのパパ
、どうたの?”、なんて知り合いから声
をかけられるのです。そんな時は、ひき
つった愛想笑いだけ、詳細を語る余裕も
無いんです。
 えーぃ、背に腹は代えられない、買っ
たばっかしの舶来高級靴ですが、かかと
を折って、靴擦れの痛いところが当たら
ないように歩くことにしました。これじ
ゃせっかくの舶来高級靴も台なしだね、
こんな事になるんだったら、植え込みの
中でも、モモちゃんと一緒にどんどん歩
くんだったよ。
 ここ隅田公園の付近は、靴屋さんが有
名な場所。それも、製造直販で安いんで
す。お店の玄関先にズラーっと並んだ革
靴、そのどれもが履きやすそうなんです
、でもこんな時に限って財布を持ってな
いんだよね。今までのいわば庶民の靴は
、こんな所で買っていたので靴擦れも無
く、気取ることも無く、気軽に履き潰し
ていました。
 隅田公園の吾妻橋側の入り口で、工事
が行われています。バリアフリーのため
に、車椅子用鋼製スロープ設置の工事の
ようです。しかし、ここにはすでに、雰
囲気の良い木製のスロープが有るじゃな
いですか。それを何も、鋼鉄製の物に取
り替えなくても。そんな余計なお金を使
うくらいなら、浅草は地下鉄の入り口に
こそバリアフリーが必要ではないでしょ
うかね。
 そんなことより、身障者の気持ちが嫌
というほど判ってしまったあほまろに、
車椅子を貸してくれる場所ありませんか
〜!
 舶来高級靴を履くには、分相応ってこ
とが有るんでしょうしょうね。