2003年6月7日 土曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数52枚

合掌

 入院中は、朝5時半増上寺の時の鐘で
目覚めていたおかげで鐘の音が無い目覚
めは寝起きが悪い。それじゃ今朝は、浅
草寺の鐘の音を聞きに行こうと、午前5
時起床。時の鐘は午前6時なので、それ
まで、どっかをぶらつきましょうかね。
 こんな早朝からホームレスで賑わって
いる六区の通り。今日は競馬の開催日な
ので、何か良いことでもあるのかな。そ
んな中、どうみても刑事って風体の男が
数人何か聞き歩いています。そういえば
、一昨日伝法院通用門でホームレスの殺
人事件が起こったんですよね。朝っぱら
からその事を調べているのかな。
 この事件、午前3時頃伝法院の通用門
前の路上で寝ていた男性に恨みを持った
犯人が、男の頭に重さ10キロ以上も有
るコンクリートブロックをぶつけて逃げ
たそうです。男は右顔面や後頭部の骨が
折れ、運ばれた病院で死亡とのこと。
 報道によれば数日前、この男性と同じ
くホームレスの女性が現場近くで口論を
していたとのこと。警察は現場から居な
くなった女性の行方を捜しているそうで
す。この辺のホームレスの中には顔馴染
みの方々も多く、確かに女性も数人居ま
したね。例の鬼婆伝説を思い出してしま
うような事件です。
 昔、このあたり一帯は浅茅が原と呼ば
れ寂しい所でした。今の花川戸公園付近
に、老婆が娘と一緒に住んでいました。
この老婆は、行き暮れた旅人を家に泊め
ては、重い石を頭に落として殺してしま
うという恐い恐い鬼婆だったのです。
 老婆が殺した旅人が九百九十九人。い
よいよ千人で満願というの夜、鬼婆の行
為を見かねた観音様が、愛らしい稚児に
姿を変え、老婆の家に宿を求めたのでし
た。すると、老婆の娘が稚児の美しさに
迷い、添寝をしてしまいます。そうとは
知らぬ老婆は、いつものように頭に石を
落としたのは、何と自分の愛娘だったの
でした。老婆は深く嘆き、龍に身を変え
て池の底へともぐっていったそうです。
老婆が住んでいた家の側の池が「姥が池
」と称され今も残っています。浅草から
鬼婆伝説が消えることは無いんでしょか
ね。恐い恐い。
 午前6時。時の鐘を撞きにお坊さんが
歩いて来ました。“花の雲 鐘は上野か
浅草か”。松尾芭蕉が詠んだこの鐘は、
元禄五年、五代将軍綱吉の命により改鋳
されたもので、総高2.12メートル、
口径1.16メートル。第二次世界大戦
で鐘楼は失われましたが、鐘は今に伝わ
っているのです。
 ごぉ〜〜ん、ごぉ〜〜ん!
 大きな音にモモちゃんが怯えてます。
これから毎日連れて来ると、馴れてくる
かもね。邪悪な物を篩い落とすされるよ
うに体中を揺さぶる鐘の音。
 俗界で悪の限りを尽くした(ちょっと
言い過ぎかな)あほまろも、このように
掌を合わせることによって精神が安定す
るんです。右手は仏さまを表し、左手は
私たち凡夫を表すと言います。手を合わ
せることによって仏さまの境地に私たち
が近づけるということなのでしょう。
                合掌