2003年4月22日 火曜日

今朝の写真
CANON EOS-1 Ds
TAMRON SP ZOOM 24-135 F3.5-5.6
撮影枚数45枚

アースディ

 地球に感謝し、美しい地球を守る意識
を共有する日、“アースディ”です。そ
う、今日は地球のことを考える日なので
す。世界中で“アースディ”イベントが
開催されています。そんな日に相応しく
、久しぶりの富士山も顔を出す爽やかな
朝になりました。浅草でも、あるボラン
ティア団体のゴミ拾いや資源ゴミの回収
が行われています。そんな横を、ボリュ
ームいっぱいで名前を連呼する選挙カー
が通り過ぎていきます。“みなさん朝か
らご苦労さまで〜す!”、“バカ野郎!
本音でそう思うのだったら、手伝ってい
け〜!”なんて怒鳴ってやりたいですよ
全く・・・朝っぱらから・・・・。
 アースデイは、いかに多くの市民が「
地球環境保護」に興味と共感を持っても
らうかを再確認する日でもあります。こ
の日のイベントに参加した方々みんなが
、「地球に感謝し、地球を愛し、自然と
共に人類がやさしく生きていくこと」が
当たり前の意識になることを目標にして
いるようです。いわば、毎日が“アース
ディ”である意識を持つことが大切であ
ることを教えてくれているのでしょう。
 『天地もまだ若く、人間もまだ稚純な
時代であった。自然と人とは、時には獰
猛(どうもう)に闘い、時には肉親のよ
うに睦(むつ)び合った。けれどもその
闘うにしろ睦ぶにしろ両者の間には冥通
する何物かがあった。自然と人とは互に
冥通する何者かを失うことなしに或は争
い或は親しんだ・・・・』
 岡本かの子の『富士』の冒頭です。古
来から自然の中で生き抜くことができる
智恵を持った動物が人間になり、自然の
恩恵によって文明を築いてきたのです。
 コンクリートとアスファルトと排気ガ
スによる大気汚染が、人類を自然から追
い出そうとしているようにも見えてくる
のです。
 このままでは、自然と人とは互に冥通
する何者かを失うことになっていくのか
もしれませんね。
 桜も終わり、ツツジが満開になった浅
草寺境内の一角に、朝倉文夫作の「慈雲
の泉」があります。彼は、自然と共存す
ることだけが、人間としての証しである
ことを彫刻として形に残してくれたので
す。
 台東区には朝倉文夫のアトリエ兼住居
だった場所を、「朝倉彫塑館」として公
開しております。外観から見ると洋館の
趣ですが、一歩中に入ると和洋折中の建
物であることが分かります。庭には、“
仁・義・礼・智・信”を表した巨石が並
べられ、自然の湧水を利用した中庭は自
然との融合を見事に表しているのです。
彼の拘りはいつも自然との調和であった
ことが感じ取られる作品の一つなのでし
ょう。
 台東区には、こんな素晴らしい施設が
たくさんあります。しかし運営を巡って
縮小の傾向にもあるそうです。自然と融
合しあって創りあげてきた人類の文化と
芸術。今、展開されている区議会議員の
候補達。誰も文化の継承を真剣に訴えて
いる人は居ないようです。