2003年2月15日 土曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数28枚

涅槃日

 暖かい朝が続きますね。でも、浅草寺
境内の桜の蕾はまだまだ固く閉ざされて
いますが、少しずつ大きく膨らんでいる
ようです。これも一月後にはゆっくり開
いてくるのでしょうね。もうすぐ春なん
ですよ。
 浅草寺観音堂の正面に涅槃図が掲げら
れました。涅槃の寐釈迦とは本来涅槃の
日の別名で、釈迦入滅の日なのです。本
来は、旧暦2月15日がその日にあたる
のですが、最近では新暦にあわせておこ
なう地域が多くなったようです。毎年、
不思議なことにこの涅槃の日の前後数日
は、やわらかな風が吹き穏やかな日が続
くことが多いのです。現にこの数日は春
の到来を思わせる陽気ですね。これも、
お釈迦様のご加護がさせているのかもし
れません。この時期に吹く風を涅槃西風
(ねはんにし)ともいわれております。
まるで浄土から現し身の世に吹き送られ
てくる感じがする風を指しているのだと
か。お釈迦様も、現代の生活習慣に合わ
せ、涅槃の地で新暦の生活をおくってい
るのでしょうかね。
 昔から涅槃の日は、各寺院宗派を問わ
ず涅槃図をかかげ、香華を供え、遺言経
を誦えて涅槃会を行うのです。しかし、
最近ではこの日参詣する信徒を前に説教
をする風景はめっきりと見受けられなく
なったのが淋しいですね。あほまろも子
供の頃は、祖母に連れられて毎年この日
のお詣りを欠かしたことが無かったと記
憶しております。
 当時、涅槃日は、寺院だけの行事では
なく、民間の家でも団子や、ぼたもちな
どをつくり仏壇に供え、香を焚き先祖の
供養をする日でもありました。
  またこの日は完全な冬の終りをも意味
する節目の日でもあったのです。この前
後に降る雪のことを涅槃雪と呼び、さら
に、雪の果て、名残りの雪、雪の終、忘
れ雪などと、さまざまに表現をし、俳句
の季語にもなっているのです。
 雪の果これより野山大いに笑う (虚子)
 「涅槃の泥棒」という洒落本の中に、
観音様に入った泥棒が仁王門まで逃げて
きたとき、仁王様に見付かってお咎めを
受けたという話があります。この話はあ
まり有名では無いのですが、落語の枕に
これとよく似た話が出てきます。
 観音堂に入った泥棒が、仁王門まで逃
げてきた時、仁王様が大声で”くせ〜も
の〜”っていったとか。ちょっと寒い洒
落ですね。
 デモ、最近の”臭う様”は、檻の中に
入れられてしまって、”臭せもの”を捕
らえることができそうもありませんね。
この檻は、ハトの糞から仁王像を守るた
めなのです。どっちにしても、仁王様は
”臭せもの”にご縁があるお方なのです
ね。春到来、っていう朝っぱらから寒い
話でごめんなさい!
 涅槃日は、仏様に手を合わせましょう!
ここ浅草寺でも、
法話会が行われるようですよ。