2003年2月13日 木曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数26枚

燐寸のような

 手がこごえるって感じの朝です。手ど
ころか身体の感覚を失ってしまいそうな
寒さでもあるのですよ。そんな中、四日
前に暖かそうなショールと帽子を着せて
もらった母子地蔵、昨日の朝まで暖かそ
うに身に着けていたのですけど、今朝は
、お母さんのショールと帽子が無くなっ
ておりました。お地蔵さんより人間さま
が大切なのは判りますけど、ここから盗
んでいった思いやりの無い人に怒りを感
じます。昨年末には、子供の帽子まで無
くなっていたんですよ。
 浅草のど真ん中に別世界のように佇む
伝法院。そのお庭の白梅が満開になりま
した。このお庭には直接入ることができ
ませんが、横の鎮護堂からその全貌を見
ることができるのです。四季折々の草花
に覆われる素晴らしい日本庭園ですが、
一般公開はしておりません。そんな訳で
いつも静寂を保っているのでしょう。
 お庭をご覧になりたい方は、あほまろ
のように鎮護堂のお狸さまの隣から満開
の白梅をご覧になってください。鉄格子
の隙間から写真も撮れますよ。
 今朝の境内は、観音裏から通勤で駅に
急ぐいつもの人達と、長野県から来た中
学生が騒いでいるだけ、寒いのにちょっ
とのどかな雰囲気です。長野県より暖か
いとはしゃぎ廻っている子供達にも、鎮
護堂から伝法院のお庭を見せてあげたの
ですが、たいして感動は無かったようで
す。”長野には、もっと大きな庭園があ
るよ・・・”だって。風流じゃないね〜!
 あほまろが、毎朝のモモちゃんとの散
歩記録を撮り続けて4年目になります。
出張や入院などで何度か欠けた日もあり
ますが、4年間の歳月が総ての日を埋め
ているのです。この貴重な写真を元に、
あほまろ独特の”戯絵(あじゃらえ)”
に仕上げる作業を行っております。一年
365日の浅草の朝を中心に、各種の行
事と、浅草が持つ独特な雰囲気、特にこ
こで生活する人達の様子を、明治時代の
マッチラベルのデザインの中に取り込ん
でいるのです。
 昨年末より毎日暇な時間をこの作業に
充てているのですが、精々一日2〜3枚
が良いところ。ようやく半分ほど完成し
ました。これが完成しましたら、このペ
ージでもご紹介したいと思います。ちょ
っと前まで、私たちの生活に無くてはな
らない存在だったマッチ。しかし、文明
は新しい”火”を与えてくれ、その存在
が絶滅危惧の状態なのです。
 毎朝の散歩で思ったことは、ここ浅草
もマッチ同様の運命を辿っているような
感じを受けたのです。華やかだった頃の
賑わいが再び戻って来るのが、当たり前
であるかのように、何もしないでただ待
っているだけのようにも思えるのです。
 そんな寂しい様子は、華やかだった頃
のマッチのラベルにダブって見えて来ま
す。市販のマッチに描かれた独特な図案
は、明治初期から変わることなく延々と
今に受け継がれ、それがマッチであると
いう存在感だけが権威を保っているよう
にも・・・。
 浅草も、過去賑わった浅草であるとい
う存在感だけを保っているのです。
 今回のあほまろの作品は、”燐票見立
浅草風物(りんぴょうみたてあさくさふ
うぶつ)”。A3版で、365枚構成な
のです。
 お祭りまでには完成させたいなぁ〜。