2003年2月11日 火曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数38枚

母子地蔵

 目覚めて空を見上げると、昨夜来の雨
がまだ続いているようです。こんな天気
は本当に嫌ですね。でも、モモちゃんの
ために散歩は欠かせないんですよ。外に
出ると、雨といっても霧雨程度、こんな
んじゃ傘なんて要らないね。
 休日だというのに、浅草寺を訪れる人
が少ないようです。何かを行うのか、ボ
ーイスカウトの連中が団旗を持って集団
でお詣りしていたり、読売旅行の旗に曳
かれたお遍路さんの団体。そして、何と
表現したら良いのか理解に苦しむ台湾か
らの宗教団体ご一行様およそ30名。お
揃いの白い服に赤い襷をかけ、手にはお
供え物らしい物を持ち、観音旗のような
物を先頭に歩いています。口々には、お
経とも思える呟き、今まで見たこともな
い不思議な光景でした。同じ仏教徒でも
参拝の仕来りがこうも違うんでしょうか
ね。それとも、台湾の新興宗教なのでし
ょうか。写真を撮っていたら旗を持った
男性に怒鳴られてしまいました。
 昨日、この日記に掲示板に、「二尊仏
の前の母子地蔵に、女性が毛糸の帽子と
セータを着せている所を見ました。是非
、写真で紹介して頂けたら・・・」の書
き込み、さっそく写真を掲載しましたよ。
 この「母子地蔵尊」は、第二次世界大
戦末期、旧ソ連参戦で混乱状態となった
中国東北部(旧満州)で、逃避行の末、
20万人を超える日本人が命を落とした
のです。その中には、厳寒の広野で母子
が生き別れになったり、飢えや疫病の苦
しみながら亡くなった犠牲者の方々を弔
い、二度と戦争という過ちを繰り返さな
い事を祈念し、1997年に建立された
地蔵尊です。
 この母子地蔵に季節季節の装いを着せ
てくれるお婆さん、満州から引き揚げる
途中、二人の子供と生き別れになったそ
うです。中国残留孤児になっていても、
生きていてくれることを願って、寒くな
ると手編みで毛糸のマフラーや帽子を作
って着せてあげているそうです。昨年の
冬、ちょうど着せ替えている所に出会っ
たのですが、今日も新しくなったマフラ
ーを見ると、きっとお元気でいらっしゃ
るのでしょうね。だっこしている子供に
おもちゃも有りましたよ。そんな優しさ
に、いつも頭が下がります。
 ホームレスの多いこの浅草地区、この
母子地蔵尊の身に着けている物も無くな
ってしまうんですよ。でも、以前おばさ
んが言ってました、「生きてる人のお役
にたつ方が、子供達も喜ぶでしょう・・
・」
 霧雨の中、濡れたマフラーにくるまれ
ていても、優しいお顔の母子地蔵尊、今
とっても幸せそうでしたよ。旧満州の奉
天市にゆかりのある「ちばてつや」さん
がデザインしたお地蔵さんなのです。