2003年1月26日 日曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数32枚

山の神

 暖かい日曜日になりました。今朝の外
気温は10℃で、日中は15℃以上に上
がるそうです。こんな日の富士山は薄ぼ
んやり霞んでいますが、それもまた一興
なんです。連日浅草から富士山を眺める
ことができる環境に住んでいるってこと
は、日本人として幸せなことですが、か
つて富士山に広く存在した美しき原生林
は各所でその姿を消し、観光道路によっ
て大量に押し寄せる観光客や登山客が残
すゴミとし尿の類は、自然の持つ分解・
浄化能力をはるかに超え、まさに目を覆
う環境破壊の現実が山林をむしばんでい
るようです。遠目で綺麗に見えても、現
実は厳しいんですね。世界遺産の登録を
抹消されたのも、環境破壊が原因なのだ
そうです。
 世界遺産条約の批准にあたって中心的
な役割を果たすのは、自然保護団体の運
動です。中でも世界的に貴重な白神山地
のブナ原生林を貫く林道の建設反対運動
は有名です。世界遺産は自然遺産と文化
遺産で構成されますが、自然遺産にせよ
文化遺産にせよ、民族学にとっても学術
上意義があると、だれもが認める世界の
宝なのです。またその宝が危機に瀕して
いる状況を転換するところに条約の精神
があるようです。もう一度富士山が世界
遺産に指定されるように、環境破壊を根
絶する運動を盛り上げて欲しいですね。
 今日は大安の日曜日です。ここ浅草神
社でも結婚式が行われます。早朝から綺
麗に着飾った幸せそうな新郎新婦が、記
念写真を撮影しておりました。この神前
結婚式は、神前で日本古来の八百万の神
々に、とこしえの愛を誓う結婚式です。
この八百万の神様とは、神道では極めて
多くの神々を持つとの意味で、神々を「
八百万(やおよろず)の神」と称してい
ます。また「八十万(やしよろず)の神
」とか「千万(ちよろず)の神」ともい
います。
 江戸時代の有名な学者、本居宣長の著
「古事記伝」三之巻において、これらの
神々の定義が書かれています。
 さて凡迦微とは、古御典等に見えたる
天地の諸モロモロの神たちを始めて、其を祀
れる社に坐御霊をも申し、又人はさらに
も云ハず鳥獣木草のたぐひ海山など、其
余何にまれ、尋常ならず、すぐれたる徳
のありて、可畏き物を迦微とは云なり。
 この「カミ」の定義は、現在も優れた
説として支持され、多くの人々が引用し
ております。
 そんな訳で、日本神道の特徴は多神と
いう共存共栄の心を育んできたのです。
今日、八百万の神々に祝福されて新しい
共存共栄の人生を歩み始めるお二人に祝
福あれ。
”蜜月も 三月の命 山の神・・・”そ
んな川柳も見えるように、山の神も八百
万の神々の一人です。外面だけの富士山
のように成らないで欲しいですね。共存
共栄の難しさは数年後に判るんですよ。
 浅草寺境内では、節分会の準備で忙し
そうです。正月もあと一週間で終わるん
ですね。
 今年も時の経つのが早そうな・・・・。