2003年1月9日 木曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数32枚

電話の居場所

 連日寒さが続きますね。今朝は家の前
の水たまりに氷が張っていましたよ。そ
んな状態でも朝のお散歩は欠かせないん
です。
 お正月の飾り物や、架設小屋の撤去も
終わり、一週間前の喧騒が嘘のように静
まりかえった浅草寺境内。今朝は訪れる
人もいないようです。かって賑わってい
たであろう、地面に残っている屋台の線
引き。あのお店はこんな小さなスペース
だったんだなぁ、など妙に懐かしくもな
るのでした。やっぱり、浅草は賑やかな
方が”らしい”ですね。
 神社で参拝中に携帯電話が鳴り出しま
した。朝っぱらから仕事の電話ですが、
話の途中で電池切れ。最近の携帯電話の
電池が長持ちするので、ついつい大事な
時にこんな状態になってしまうんです。
昔のように、毎晩寝る前に充電するタイ
プだったらこんなことはないのに。科学
の進歩は人間の怠慢を招いてしまうんで
すね。なんて、くだらないことを考えな
がら公衆電話を探したのです。
 境内に公衆電話があるのは知っていま
したが、使うのは始めてです。本堂前の
「浅草寺てれほんせんたあ」と、奇妙な
看板が気になっていた公衆電話でとりあ
えず仕事の指示をしたのでした。ここの
電話はすべて国際電話対応で、おまけに
ISDNモデムポート付きです。ここで
パソコンを使う人がいるのかどうかは判
りませんが、台湾や香港からの観光客が
良く利用しています。側に置かれている
くしゃくしゃになった電話帳には、日本
語以外の言葉のメモ書きでいっぱいでし
た。携帯電話の普及で、公衆電話を利用
する人がめっきり減ったのですが、外国
人にはまだまだ便利な物なんですね。
 あなたの家の電話はどこに置かれてい
ますか。古い家はきっと玄関でしょう。
かって、電話は必ずといって良いほど玄
関の下駄箱の上とか、電話台の上で招き
猫よろしく、座布団に座ってましたね。
そして、貯金箱のような小さい箱が置か
れている家もありましたね。また、綺麗
なお洋服を着ていた電話も。以前、あの
風習のルーツを調べたことがあります。
 昔、電話は高級品でお金持ちの家しか
持てなかったのです。また、商店でも、
電話を持っているお店は、それを誇るよ
うに看板に大きな文字で電話番号を記入
したもんです。名刺に電話番号が入って
いると、それだけで有名企業に勤めてい
るような雰囲気。その時分、電話を持っ
ている家では、親しくしている近所方々
にも利用させてあげていたんです。いわ
ゆる呼出電話なのです。あほまろが、子
供の頃、実家は商売をしていたので、も
ちろん嫌いな電話が有りました。なぜ嫌
いだったのかは、言わずと知れた”呼出
電話”。”裏の山田さんを呼んできて!
向の飯田さんのお嬢さん、隣の坂田さん
ちに来ている川俣さんの次男さん・・”
 嘘じゃないんですよ。毎日そんな用事
を言いつけられるんです。また、通りす
がりの人が、電話を貸してくださいと入
ってくることも。そんな時は、使用料と
して10円置いていくんです。そんなた
めに電話は玄関で、お賽銭箱のような料
金入れの小箱と共に、綺麗な座布団に座
っていたんですよ。
 確か、当時の電話代は、市内通話一回
7円だったような。貸してあげると、3
円儲かっていたんですね。だから綺麗に
しなくっちゃね、今、思えば・・・。