2002年5月15日 水曜日       

今朝の写真
CANON EOS-D60
TAMRON SP ZOOM 24-135 F3.5-5.6
撮影枚数25枚

足元
 浅草は嵐の前の静けさ。普段は週末だけ許され
ている境内の露天商も、お祭りとあって今朝から
設営の準備を始めた。ここに出店する露天商を観
察していると、何年も同じ業者が同じ位置で営業
している。過去数年間の宝蔵門前に出店する露天
商の写真を並べてみると、テントの配置や商品の
展示方法など見た目まったく変わらない。しかし
、並んでいるビールやジュースの缶のデザインが
微妙に異なり、そこだけが時代を感じさせてくれ
る。ふうてんの寅さんのように、本来、露天商と
いわれる職業は、全国のお祭りや縁日を渡り歩き
商売をするものと思っていたが、ここ浅草の露天
商はここだけで暮らしているらしい。忙しそうに
準備をしているお兄さんが言うには、この場所で
年間約180日の営業をしているとのことだ。年
間180日といえば、週休二日のサラリーマンと
ほぼ同じ労働日数になる。出したり仕舞ったりで
、露天商ってけっこう大変な職業なんだね。  
 焼きそば500円。焼き鳥500円。おでん5
00円等々と書かれたお品書。みんな500円っ
てのに驚く。この値段の遍歴を聞いてみると、バ
ブルの前までの値段は、一品が200円で統一さ
れていたらしい。それが、平成に入ってから誰と
いうことなく値上げが始まり。気が付くとみんな
協定したかのように500円で落ち着いたのだそ
うだ。”細かい値段を付けると、面倒くさいから
ね”。それもそうだろうが、あほまろが大好きな
焼きそばは、田原町駅の出口で長年営業している
焼きそば屋さん。秘伝のたれの味は感動ものだよ
。屋内で衛生的で、一人前300円。大盛りだっ
て450円で食べられるんだよ。そんな事いって
も、この人達には関係ないけどね。昔の露天商は
人の足元を見て商売していたが、今の露天商はち
ゃんと料金表を掲示してるだけ偉いよ。    
 ”テキ屋殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の三日も降
れば良い・・”、ふうてんの寅さんの口癖だが、
浅草寺境内の露天商では、雨が降ると雨宿りの客
で忙しいそうだ。時代は変わったんだね。   
 以前台湾で屋台の観察をしたことがある。台湾
では、どこの道路でも露天商が商売をしている。
また、これが良く売れているのだ。食べ物の屋台
に混じって、偽物やコピー商品も並んでいる。時
計などは、超高級品が本物の100分の1以下で
買えてしまうのだ。これが結構観光客に人気があ
るらしい。そんな店を持たない露天商は、勿論税
金も納めまていないので、売上はすべて所得にな
る。警察の目を盗んでは路上で商売。摘発されそ
うになったら、すぐに移動できるように避難場所
も決まっているらしい。そんな屋台はみんな、風
呂敷の4端を持てばすぐ袋になって逃げれるよう
になっていたりもする。こんな屋台文化は、東南
アジア全域で昔から賑わっているね。     
 浅草寺仲見世の毎日大勢の人が歩く敷石、って
いってもコンクリートなのだが、傷みが激しくな
った所は、定期的に取り替えている。味気ないコ
ンクリートより、天然石にでも取り替えたら、も
っと風情があるんだけどね。しかし日中は大勢の
観光客が連なり。露天商同様に、今の日本人は、
自分の足元を見る余裕なんて無いのかもしれない
ね。