2002年4月24日 水曜日       

今朝の写真 
CANON EOS-D60
TAMRON SP ZOOM 24-135 F3.5-5.6
撮影枚数28枚

祭りの話題
 世の中にゴールデンウィークが近づくと、ここ
浅草では、どこにいっても三社祭の話題で持ち切
りになる。今朝も出会った方の口々から、”いよ
いよですね”、”もうすぐですね”などと、主語
の無い話題を交わす。また、打ち合わせなどの予
定も、”祭りが済んでから”、”祭りの前に済ま
せましょう”等々、三社祭は、浅草人の生活の中
にしっかり根付いているのだ。        
 浅草のあちこちでは、奉納提灯の取り付け作業
が行われている。また、どこからともなく、お囃
子を練習する笛の音も聞こえてくる。そんなこん
なと総ての準備が整うと、浅草はもう祭りの前夜
祭のようにみんなが盛り上がっているのだ。
 先日とある祭り同好会の連中と居酒屋で盛り上
がった。勿論祭りの話である。その中の青年の一
人がおよそ一年を費やして、勇み肌のシンボルを
入れたそうだ。いわゆる「刺青」である。それも
祭りでみんなに見て貰うためにだけ、苦痛に耐え
たという。彼はけっして無法者では無く、まとも
なサラリーマンなのだが、浅草に生まれ育って、
祭りの「粋」を肌で堪能したかったとか。   
 最近では、若い女性もお洒落感覚で、”タトゥ
ー”を彫るらしい。ある雑誌で、若い女性のこん
な「刺青」感が掲載されていた。 
 ”刺青って言うと大体の方が「怖い」ってイメ
ージを持つ方も多いと思うけど最近は結構ワンポ
イントとか結構流行ってますよね?私も10代の
頃から凄く憧れてて、1年間刺青の雑誌を見て絵
の上手い彫り師を捜し、勢いで友達と背中に入れ
ようと決めて神奈川県の某彫り師のとこに行った
のですが、結局は太股、右腕〜といった感じで背
中にはいれなかったんですけど(爆笑)♪”  
 谷崎潤一郎の小説「刺青」の中で、気の強い女
を腕ずくで屈服させ、ヒーヒー悲鳴を上げさせた
いという男たちの欲望。女が強ければ強いほど、
それが屈服させたときの喜びは大きい。一種のサ
ディズムの餌食になる。そんな女が、心身共に強
くなった証に彫った刺青を武器に、自分を不幸に
した男たちを次々と血祭りに上げて復讐を果たす
。彼女の生き血を吸おうと彼女の周囲に男たちが
群がるから、彼女は手近な餌としてそれを手当た
り次第に食い散らしだけなのだ。そんな「刺青」
は女を強く見せる武器でもあるようだ。 
 祭りでは、神輿の上に刺青のお兄さん達が乗る
。それをみんなが写真を撮り、もてはやす。その
反面、警備の警察官は、スピーカーで降りなさい
と怒鳴る。東京都公安条例違反で検挙する・・な
んて怒鳴るのだが、それにひるむ者はいない。そ
れどころか、次々に綺麗な「刺青」をご披露して
くれるのだ。そんな祭りが見たくて人は集まって
くる。地元の人間にとって迷惑なのだろうが、降
りろ、降りないのやりとりが、昔から続いている
祭りの楽しみなのかもしれない。今年は、そんな
連中を宮出しから閉め出す作戦が展開されようと
している。警察の強引な姿勢で、例年以上に過激
になること、間違い無しだろう。”祭りの喧嘩は
無礼講”きっと神様は、庶民の味方でいてくれる
でしょう。フーリガン対策の予行演習で、顰蹙を
かっている過剰警備。予行演習で培った経験を生
かしたところで、本場のフーリガンは手強いです
ぜ。そんな演習が後の祭りだって事に成らなけれ
ば良いね。