2002年4月22日 月曜日       

今朝の写真 
CANON EOS-D60
TAMRON SP ZOOM 24-135 F3.5-5.6
撮影枚数29枚

カラスの勝手
 今朝もまだ小雨がぱらついているが傘は必要な
いようだ。こんな日は、ジャケットの内側にカメ
ラを忍ばせて帽子が有れば大丈夫と、勇んで家を
出てたのだが、いつもの用足しの場所に来て、モ
モちゃんの通い袋を忘れてきた事に気づくのだっ
た。戻ろうか、どうしようか、モモちゃんは用を
足したがっている。慌ててモモちゃんを電話ボッ
クスに繋ぎコンビニに駆け込んだのだった。こん
な非常時だというのに、コンビニでは係員が一人
で大勢の客が列をなしている。あほまろはおにぎ
り一つを掴み並んだのだが、これがまたのんびり
係員でイライラ。商売をやる気が無いのか!そん
な訳で買わなくても良い鮭おにぎりを囓りながら
この日記を書くはめになってしまった。    
 浅草神社境内では、大勢のカラスが集まって騒
いでいる。カラスにとって今日は何か特別な日な
のか、普段とは違った異様な雰囲気の境内だ。近
年、都市部を中心に、カラスの引き起こす問題、
例えば、ゴミを散らかすとか、子育て期になると
人を襲う・・といった話がよく聞かれる。人間が
出す生ゴミを含め、さまざまなものを食べるカラ
ス。独特の智恵と情報活動によって、他の多くの
鳥達とは違い、食糧獲得にそれほど時間を費やす
必要がない。境内でカラスが騒ぐと、ハト達は隠
れてしまい。観光客の頭上すれすれを飛び交って
遊んでいるようにも見える。普段ハトの天国にな
っているのをやっかんでもいるような行動にも見
えるのだった。               
 東京都心には、すでに2万数千〜3万羽のカラ
スがいるとされる。カラスは人間と同様に進化し
てきている動物。人間は進化して、文化・文明を
つくり、国家をつくってきた。それは食糧問題と
密接に関係しており、文明が生れたといわれると
ころでは、必ず農業が発展している、いわゆる食
糧が豊かであったということがいえる。豊かにな
ると時間に余裕ができ、文化がどんどん発展して
いく・・・そう考えると、カラスの食糧事情、時
間的余裕などは、人間の場合と類似しているよう
にも思えてくる。カラス社会でも、彼ら独自の文
化や文明が進展しているのだろう。げんに、人を
襲うという行動は、一種の遊びと研究する学者も
いるようだ。カラスの動きは人間くさい。それは
高い知能に基づくところが多いのかも知れない。
境内に集まるカラス達は、他所で満腹になった後
は、天気も悪いので、浅草寺境内で観光客をかま
って遊びを楽しんでいるのだろう。何とも優雅な
連中ではないだろうか。 
 カラスという語源は、これは「気をからす:悪
気(邪気)をからす(取り除く)」というところ
から付けられたという。辞書などには、「人里近
くの高い木などで群れをなして生活する。昔から
不吉な鳥とされる。」とある。カアーカアーと、
鳴いて飛んでいる所の悪気(邪気)を取り払うカ
ラスは不吉な鳥といわれてもいる。「古来、熊野
の神の使いとして知られ、また、その鳴き声は不
吉なものとされている。」ということも書かれて
いる文献もある。この熊野というのは熊野神社の
ことで、全国に分けられた氏神、産土神(うぶす
ながみ)の神社で、その数は三千社をこえる。カ
ラスはその神の使いでもあるということだ。熊野
神社の神輿の上には、今でも鳳凰のように、カラ
スが飾りとして乗せられている。しかし神輿に乗
っているのが神の使いであるカラスとも知らずに
多くの人は神の使いの鳳凰であるかのように崇め
奉っているのも事実なのだ。         
 飽食、使い捨て、ポイ捨てなどの人間行動に、
カラスは神の使いとして注意を促しているのかも
しれない。自然を破壊していく人間の勝手な行動
を阻止することも出来ずにただ見つめているだけ
のカラス。浅草寺境内で騒いでいるのも、カラス
の勝手でしょ。               
 最近訪れる修学旅行生は、福島県の中学校が多
いようだ。一人の生徒が煩く飛び回るカラスを見
上げながら、”東京のカラスは薄汚いぜ!”。そ
うだろうね、福島のカラスは自然の中であか抜け
ているんだろうね。