2002年4月18日 木曜日       

今朝の写真 
CANON EOS-D60
TAMRON SP ZOOM 24-135 F3.5-5.6
撮影枚数35枚

苦楽と共に
 観音縁日の今日は、数学旅行の学生はまだ来て
いないが、大勢のエキストラを従えて、テレビド
ラマの撮影が行われている。早朝の撮影なので、
まだ観光客などのギャラリーも無く、淡々と行わ
れているが、もし、ここで修学旅行の団体との遭
遇でもあると、あっという間に黒山の人だかりに
なってしまうだろう。先日もテレビによく出てい
るタレントが撮影を行っている場所に、修学旅行
団体がやってきて、現場は大騒ぎ。撮影どころで
は無くなったスタッフは人払いにてんてこ舞いだ
ったことを思い出す。今朝は、何のドラマか判ら
ないが、エキストラ全員観光旅行のワッペンを付
け、ガイドの説明を聞く設定だった。早朝からご
苦労さまです。               
 観音さまは、阿弥陀如来の脇侍の一人で、大慈
大悲で民衆を「苦」から助けて悟りを開かせる菩
薩様。民衆の求めに応じて三十三身に姿を変える
とされる。そのため、多くの変化観音が生まれて
きたという。今日18日は、ここ浅草の観音様も
縁日で、観音信仰をする人達の読響が境内に流れ
ている。こんな日にお詣りをすると何か良いこと
が起こるかもしれないし、民を「苦」から救って
くれるのかもしれない。
 ところで、「苦」とはいったい何なのだろう。
仏教用語で調べてみると、「苦」は元々梵語で、
”煩悩や前世の悪業のために受ける苦悩や不幸。
主要な苦として、四苦・八苦などがあげられる”
とされる。ってことは、人々は、”前世の悪業”
をいつまでも引きずっているって事なのだろうか
。そんな事、誰も知るはずが無いだろうさ。現実
には、借金苦・生活苦・健康苦などの、四苦八苦
の現実を回避してもらうために、”苦しい時の神
頼み”を行うのだろう。この”四苦八苦”とは、
生・老・病・死の人類の基本四苦に、愛別離苦・
怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦を合せたことをい
うらしい。難しい漢字が並ぶが、死別する苦しみ
。怨み憎む者に会う苦しみ。求めるものの得られ
ない苦しみ。五陰(物質と精神)から生ずる心身
の苦しみの総称。それだけ全部が叶うと、人は死
なず、別れず、憎しまず、何でも手に入り、いつ
も豊かで居られるんだね。そうなったら、苦情処
理も、苦し紛れの言い訳も、何の苦もなくやって
のけれるのだろう。まさに、”苦は楽の種”って
とこかな。あほまろは、浅草寺本堂前に掲げられ
た真新しい観音縁日の提灯を眺めながら、いつも
になく真剣に考えてしまったのでした。あー!!
お詣りするだけで、楽になるのだったら・・・。
 浅草のあちらこちらに、ちょうど一月後の訪れ
る”三社祭”の幟が目立つようになってきた。江
戸時代から、浅草に住む人々は、祭りを区切りに
働いているといっても過言ではない。祭りが済ん
で、ようやく新しい年を迎える。これが観音様の
”大慈大悲”で、”苦”を追い払ってくれる儀式
にも思えるのだ。三社祭は、神輿に群がる苦み走
った(にがみばしった)好い男達によって、苦界
の苦しみを追い払ってくれるようにも見えるので
ある。そんな浅草に住んでよかった。