2002年4月8日 月曜日       

今朝の写真 
CANON EOS-D60
CANON ZOOM 17-35 F2.8
撮影枚数33枚

聖誕祭
 花の咲き薫る春の行事、“花まつり”が行われ
る。正式には、釈尊降誕会、灌仏会、仏生会など
といい、今日は、2千5百年前にお釈迦様が、今
のネパールの国のルンビニという所でお生まれに
なった記念日とされている。お釈迦様がお生まれ
になった時、甘露の雨が降ったという言い伝えか
ら、花まつりには花御堂に誕生仏を安置して、上
から甘茶を注いでお祝いする行事が広く行われて
いる。伝説によると、お釈迦様は摩耶夫人の右脇
から生まれると七歩すすんで、右手を挙げて天を
指し、左手を垂下して地を指し、「天上天下唯我
独尊」(人は誰でもこの世に一人だけであって予
備の人間はいない。命は貴いものである。私は苦
しむ人々を救うことを第一としよう)と唱えられ
たといわれ、誕生仏とか誕生釈迦仏とか呼ぶ仏像
は、この姿をあらわしたものらしい。やはり、我
々凡人とはちょっと変わった誕生をされたよう
だ。
 この”花祭り”はキリスト教で言うところのク
リスマスなのだが、最近は、仏教徒が大半をしめ
る我が国の行事として、盛り上がりに欠けるのが
寂しい。                  
 浅草寺幼稚園の有る伝法院前に、白い象の上に
乗ったお釈迦様が安置されている。今日これから
、幼稚園児達によってこの白い象が境内を曳かれ
、本堂に安置される。今日の幼児達は、みんなそ
れぞれお気に入りの花を持ち寄り、お釈迦様にお
供えする行事も行われていた。        
 これとは、反対にお釈迦様が他界された日を、
涅槃会という。日本では2月15日だが、南方の
国では5月の満月の日に行われるらしい。お釈迦
さまは紀元前383年、80歳で亡くなったと伝
えられているが、その没年には383年、483
年、544年など諸説が入り交じっている。ヒマ
ラヌヤヴァティー河の岸辺にある沙羅双樹の林で
頭を北にし、右脇を下にした形で亡くなった。こ
れに習って、仏式では亡くなったときに北枕にし
て寝かせるのだとか。            
 浅草寺境内では、午前10時より、参詣者に甘
茶を振る舞ってくれる。甘茶は、甘草という薬草
の葉を煎じだもので、本来は天に住む竜の涙なの
だとか。この花祭り、日本では推古天皇の時代に
元興寺で初めて行われ、お釈迦さまの誕生を祝い
、お釈迦さまの智慧と慈悲の教えを信じてゆくこ
とを誓う日なのだ。また、子供がすくすくと育つ
ことを祈る日でもある。普段信仰心の無いあほま
ろも、今日は甘茶でも飲んでお釈迦様の境地にあ
やかりたい、あやかりたい。(合掌)