2002年2月17日 日曜日       

今朝の写真 
CANON EOS-D30
CANON ZOOM 17-35 F2.8
撮影枚数26枚

三方一両損
 熊八「よっ、佐七、聞いたかい?お奉行様の名裁き」
   「知らねぇなぁ」「知らねぇって、江戸市
    中じゃこの話でもちきりだぜ」
 佐七「へぇ〜そうかい、いってぇ何だ」
 熊八「へぇ〜そうかいってお前、こんなすげぇ話ちょっ
    と他にはないぜ。知らねぇんなら教えてやるから、
    耳の穴かっぽじってよく聞きやがれ」
 医療改革と称して小泉首相が打ち出した政策、
医療費を3割負担にする変わりに、診療報酬と薬
価は2.7%の引き下げ。これに伴う損失を国が
負担する。いわゆる「三方一両損」だと言う。で
も、ちょっとおかしいのは、「三方一両損」とは
、三者が同様に傷みを分かち合うって意味では無
いのだろうか?「社会保障に対する国民の信頼を
取り戻すためにも『改革なくして負担増なし』と
の従来の主張を今後とも行う所存だ」としている
が、国側の勝手な解釈でいつも騙されてしまうの
が文句の言えない我々国民ということになってし
まうのだ。                 
 落語でお馴染みの「三方一両損」とは、ある町
人が三両という大金を町で拾う。感心な町人はネ
コババもせずに、奉行所に届け出る。落とし主が
やがて見つかるのだが「落としたものは、もう自
分のものではない」と受け取ることを拒む。拾い
主も拾い主で、喜んでホイホイ貰っておけばよい
ものを「わたしのものではないから」と言って受
け取りを拒む・・・。            
 熊八「ここからがこの話の肝よ。南町奉行大岡
越前守様はさらに自分の一両を出してこう言った
    そうだ。『二両ずつを両人に褒美として
つかわす。2人とも三両懐に入るところを二両と
    なったのだから一両の損。奉行も一両出
したのだから一両の損。これ呼んで三方一両損な
    り』さすがは名奉行大岡越前守様、三方
一両損とは恐れ入るじゃないか、えっ」    
 佐七「ふ〜ん」            
 熊八「ふ〜んって…それだけ?この話を聞いて
それだけ?左官屋も大工もそしてお奉行様もあっ
    ぱれな話じゃねえか。けっ、お前みたい
に白けたヤツに話して損したぜ。あばよ」
 これから訪れるであろう、医療制度改革による
国民の負担なんてのは余所事のように、浅草寺境
内は賑わっている。特に土日は公営競馬が行われ
ているので、新聞にかじりつきながら場外馬券場
に向かう連中が目立つ。そんな連中に屋台の団子
屋の親父が呼びかけている。「団子〜団子〜勝利
の決断、勝ち団子だよ〜」。よく意味が解らない
が、ゴロ合わせ的に喋っているのだが、なぜが説
得力があるようで、1本300円の団子がよく売
れていた。                 
 小泉さんの「三方一両損」論より、団子屋の「
決断勝ち団子」論の方が妙に説得力があるんだよ
なぁ〜。なぜか食べないと決断できなくなりそう
な・・・・。